転職した後に、転職先の会社から「源泉徴収票を出してください」と要求されます。
前の会社からもらった源泉徴収票を提出すればよいことなのですが、中には、
「辞めた会社に電話したくない」
「前職のことがばれたくない」
「提出したくない」
ということもありますよね。
というわけで、
について調べてみました。
ぜひ参考にしてください。
目次
源泉徴収票をもらいたいけれど前の会社に電話したくないときの対処法
まず大前提として、
会社は社員が退職してから1ヶ月以内に源泉徴収票を発行する義務があります
最初にこの点は覚えておきましょう。
なので、
1ヶ月以内にもらえない場合は遠慮する必要はありません。
しっかり請求しましょう!
これをふまえて、
困る場合とは、
転職先から源泉徴収票の提出を求められた時、手元にない
という状況。
この場合、
- 前職の会社からもらったけれど失くしてしまった
- 前職の会社が発行してくれなかった
という状況が考えられます。
こうした時には、その会社に、
「源泉徴収票を失くしたので再発行してほしい」
「源泉徴収票が必要だから発行してほしい」
という旨を伝えないといけません。
でも、
前の会社を良い雰囲気でやめたならまだしも…
険悪な状態で辞めたから…
二度と電話もしたくないし…
行きたくもない…
なんていうこともありますね。
そんな時の対処法は2つ、
くわしく見ていきましょう。
【行きたくも電話したくもない場合の対処法1】
書面で請求する
こんな時はまず、「書面で請求する」という方法があります。
源泉徴収票が必要なので発行してほしいという旨を書いて、簡易書留で送ります。
そこには返信用の封筒も同封しましょう。
(返信用封筒には自分の住所や名前も書いておくのがマナーですね)
中にはうっかりなのかわざとなのか、なかなか発行してくれないブラックな会社もあるみたいです。
そんな、「やるべきことをきちんとしてくれない」というのが嫌で会社を辞めたという人もいることでしょう。
そうした時にも、記録に残る形の書面ということで、簡易書留を利用して送ると効果があります。
しかしそれでも発行してくれない場合はどうしましょう?
【行きたくも電話したくもない場合の対処法2】
税務署の力を借りる
次に、「税務署の力を借りる」という方法があります。
国税庁のサイトに「源泉徴収票不交付の届け出」という様式がありますので、そこに必要事項を記入して、「税務署」に届出ます。
所得税法によって、
退職後1か月以内に源泉徴収票を発行する義務がある
と定められているので、会社側は発行する義務があるのですね。
何度請求しても発行してくれないというのは問題なので、このように税務署に届けると税務署からの指導が入り、源泉徴収票を発行してくれるはずです。
それでも源泉徴収票を発行してくれない!
そんな時はどうしましょう?
そういうときも、再度、税務署に相談してみましょう。
そうすれば再度税務署からの指導が入るので、会社側も出さざるをえなくなります。
それに従わないと法的に罰則があるからです。
まとめると、
「源泉徴収票が必要だけど会社に電話をしたくない!」こんなときには、
- 簡易書留で請求
- それでもだめなら税務署の力を借りる
ということになります。
源泉徴収票で転職先に何がわかる?
それでは次に、
源泉徴収票で転職先に何がわかる?
について見ていきましょう。
源泉徴収票からわかることは?
源泉徴収票からわかることは、
- 前職の勤務先
- 収入
- 収めた税金の額
- 社会保険料の額
- マイナンバー
です。
マイナンバーが書かれていることで個人情報が分かると思われるかもしれませんが、役所でないかぎりマイナンバーでその人の何かが分かるようなことはありません。
副業は源泉徴収票でわかる?
前職の源泉徴収票では、前職の会社が支払った給料と税金のことしか書いてありませんので、副業に関してその点でばれることがありません。
しかし、
副業をしていて収入が増えた時に、翌年の住民税額に影響が出てきます。
住民税の額が増えるのです。
住民税までチェックしている会社はあまりないかもしれませんが、中にはチェックする担当者もいるかもしれないので、ばれないために住民税は「普通徴収」という自分で納付するように変更しておくと安心です。
もっとも会社側が副業を認めているのであれば何の問題もありませんよね。
転職先に知られたくないことはなんでしょうか?
じっくり考えましょう
転職先に知られたくないことで多いのは、
前の仕事のこと
休職していたこと
などのようです。
当然これら以外にもいろいろあることでしょう。理由は人それぞれです。
しかし、わかってしまうこともあります。
例えば休職。
休職していたら給料ももらっていなかったわけですから、前の会社から源泉徴収票をもらっても給与の総額が少なく、転職先でもそれを見ると「どうしたのかな?」と思われてしまいますよね。
知られたくないことはあると思いますが、ここでこの点について現実的に考えてみましょう。
「源泉徴収票からわかることは?」
と考える前に、まず履歴書にはどのように書いたのでしょうか?
どんな理由であっても履歴書に嘘を書くのは問題です。
知られたくないことが履歴書から読み解けるからということで、その書面を偽ることは当然NGです。
嘘に嘘が積み重なって会社での居心地がよくなくなることを考えると、できれば最初から正直に話すのがベストです。
そもそも源泉徴収票って何?
源泉徴収票という言葉は良く耳にするのですが、じつは「この書類、いったい何なの?」と思っていました(汗)。
はっきりしたことを知らなかったので、まずそこから調べてみまたところ、この源泉徴収票には、
- 給与所得の源泉徴収票
- 退職所得の源泉徴収票
この2種類があります。
「給与所得の源泉徴収票」とは、
1年の間に会社から支払われた給料とボーナスの総額。
そして支払った所得税の金額が書いてあります。
前職の会社からこの源泉徴収票をもらうと、その年に会社からもらった給料やボーナスなどの総額と、そこから引かれた税金の額が分かるようになっているのです。
一方、
「退職所得の源泉徴収票」とは、
退職金の総額とその所得税として引かれた金額が書かれています。
転職の際に必要なのは最初の、
「給与所得の源泉徴収票」です。
「源泉徴収票はなぜ転職先に必要?」のわかりやすいまとめ
源泉徴収票がどういうものかがわかりましたが、
転職先に提出しなければならない理由は何?
という疑問がわきますよね。
この答えは、年末調整のためです。
そうすると、
年末調整ってそもそも何?
となります。
いい機会なのでこちらも調べてみました。
もともと所得に対する税金(所得税)は個人で支払う義務がありますが、これを会社が代わりに払ってくれているわけです。
(毎月しっかり引かれてますよね^^;)
ところが、
所得税というのは、年収に対して金額が決まるものなので、月々払っている所得税は、
「おおよそこのくらいになるだろう」
という予想額を払ってるわけなんです。
それで年収が決まる12月に、
- 年収に対する所得税の額が決まり
- 払いすぎていた場合には戻ってくる
というわけで、
その計算をするのが「年末調整」なのです。
この年末調整も会社でやってくれるのが一般的で、1年間在籍していた社員のデータ(支給額)を元に納税額が決定します。
ですが、
途中で入社してきた転職者のデータはありません。
そこで!
前の会社から発行される源泉徴収票が必要になってくるわけなのです。
それを見れば、
- 前の会社でどれだけ給料をもらい
- 税金をどれくらい支払ってきたか
ということが分かるので、それを元に年末調整をすることができるのですね。
なので!
転職先の会社でこの源泉徴収票が必要。
というわけなんです。
退職後、源泉徴収票はいつもらえるもの?
ではこの源泉徴収票はいつもらえるのでしょうか?
一般的には、勤務中の会社員なら年末調整が終わった1月ごろに渡されることが多いようです。
では、
会社を辞めた人はどうでしょう?
会社を辞めるときにもらえるのでしょうか?
言わないとくれないのでしょうか?
その答えは先にも触れたように、
会社は社員が退職してから1か月以内にこの源泉徴収票を発行する義務がある
ということです。
ちょっとホッとしますよね。
なので、
退職する時にくれるか、
「1か月以内に発行するので取りに来てください」
と言われるパターンもあるようです。
最後の最後までコミュニケーションは大切です。
退職後、源泉徴収票をもらえないこともある?
ところで、
源泉徴収票をもらえないっていうこともあるのでしょうか?
なんと、
まれにそのようなことがあるようです。
どういう時かというと、
- 会社の担当者がうっかり忘れている
- 会社が倒産してしまった
という場合です。
前者の場合は会社に請求すればもらえるはずなのですが、後者の場合はちょっとやっかいですね。
請求したくてもその会社がなければどこに請求していいかわかりませんね。
会社が倒産してしまった場合には、倒産するときに破産管財人という人が事務業務を行うことが多いので、その破産管財人に請求することもできます。
それでも発行が難しいという場合には、
月々の給料明細で確定申告もできるので税務署に相談してみる
という選択肢が良いでしょう。
源泉徴収票を失くしてしまったときは?
源泉徴収票を前職の会社からもらったのに失くしてしまった!
という可能性もあります(気をつけたいですね)。
そんな時はどうしたらよいのでしょうか?
そんな時は、
会社に再発行を依頼すればもう一度発行してもらうことができます
慌てずに申請してみましょう。
それでも源泉徴収票をどうしても提出したくない場合
基本的に源泉徴収票は、転職先に提出するべき書類です。
しかし、
「提出したくない」という状況も考えられます。
例えば、
前職のことを転職先の会社に知られたくない…
休職中だったということを知られたくない…
副業を知られたくない…
こうした時にはどのように対処したらよいのでしょうか?
自分で確定申告する
「遅くなって経理の方にもご迷惑をかけるので、自分で確定申告します(汗)」
「あ、大丈夫です、できます(汗)」
という流れでしょうか。
他には、
「医療費控除がたくさんあるので自分で確定申告します」
「あ、大丈夫です、できます」
という言い方もあるでしょう。
または12月に前職を退職や転職していると、年末調整の書類を提出するまでに源泉徴収票が間に合わない場合があります。
そうした時には、「自分で確定申告します!」と言って翌年に確定申告する。
という方法もあります。
転職先に源泉徴収票を出さないデメリット
転職先に源泉徴収票を提出しないとどんなデメリットがあるでしょうか?
「自分で確定申告しますから…」
と言うこともでき、そのまま信じてくれれば問題ありませんが、会社側の担当者もいろんなケースを見てきている場合があります。
それで、
「副業をしているのではないか?」
「休職していたのではないか?」
「人に言えない仕事をしていたのではないか?」
などと疑われることもあるわけです。
だからといって前職のことを事細かく探られるということはないでしょうけれど、大きな企業であれば、前職の会社に確認することがあるかもしれません。
また、
転職の際の提出書類として、源泉徴収票は提出するべき書類になっていますので、それを提出しないということは、「社会人としてのルールを守れない人」というふうに転職先で思われる可能性も出てきます。
その後一緒に仕事をしていくので、最初から嫌な関係になることは避けたいですよね。
なので、転職先での信頼を得たいというのであればやはり源泉徴収票はちゃんと提出するのが良いということです。
まとめ
源泉徴収票というのは、自分の1年の収入と支払った税金額が分かる書類です
年末調整では、
支払いすぎた税金が戻ってきますし、支払いが足りない税金は払わないといけません
国民の義務である納税を全うするためには必要なことなのですね。
そのために、
源泉徴収票は転職先に提出しなければなりません
これからお世話になる転職先での信頼なども含め、やはり源泉徴収票はちゃんと提出することをおすすめします。
仕事はどこで繋がるかわかりません。できれば源泉徴収票を請求するための連絡は普通にできる関係で次に進みましょう。
一生同じ会社にずっと勤めることはなかなかないのが現実です。
ということは転職をすることは当たり前のようにあることです。
その度に「源泉徴収票をもらうための連絡が気まずい」という関係にならないようにしたいものです。
以上、
「源泉徴収票のために電話したくない!転職先にいろいろばれる?などの対処法について」
でした。
今回はここまで!
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