こんにちは!
つくしです
ワイヤレスマイクの使い方2は、
「準備」です。
一言で準備といっても、
- 使用本数、使用時間から必要な電池の管理
- 使用マイク、音源から想定されるレベルの設定
- 使用場所、使用本数から適切なチャンネルの設定。また、A型ワイヤレスが必要な場合はその手続き
- 撮影内容からマイクヘッドの準備、加工
- 送信機を装着するための準備、想定
基本的にこれだけの項目、手順があり、もちろん撮影内容で準備の内容も変わります。
なので、撮影内容をしっかり把握することは大切ですね。
というわけで、ワイヤレスマイクの準備について、順番に見ていきましょう。
目次
ワイヤレスの準備1
電池を正しく入れます
電池交換は、ワイヤレス管理の重要項目です。
特に冬の一日ロケでは、常にいつ交換するかを考えなければなりません。
夏と冬の気温では、連続使用可能時間が違います。要注意です。
電池交換の注意点、コツ
電池交換では、
- + ー 間違い
- 古い電池が交換されていない
という事故がたびたび起こります。 (よく起こります)
事故防止のコツは、
- まず全ての使用済み電池を抜く
- 使用済み電池をまとめた後、新品を入れる
- 交換をしたら必ず電源が入るか確認する
数が多ければ多い程この方法を実践しましょう。
また現場で交換する場合、次の状況では注意が必要です。
報道のような突発的な現場は、慣例から、基本的に先に到着しているクルーにチャンネルの確認なく、送信機の電源を入れてはいけません。先に到着しているクルーに従いましょう。
現場の途中の話になりますが、出演者が多く、ワイヤレスをたくさん使う場合、この電池交換が意外と大変な作業になってきます。
この場合、予備の電池パックを用意しておくと作業時間の短縮と同時に、+ ー の間違い防止になります。
破損しやすい部品なので、予備として買っておくと便利です。
ワイヤレスの準備2
レベルの設定
入力レベルに対して、適切に送信機のレベルを設定します。
基本的に、そのマイクで想定される最大レベルが割れない(クリップしない)値を設定します。
機種により数値の表記が違います。いつもと違う機種を使う場合は注意です。
細かなレベル設定はこちらの記事
ワイヤレスの準備3-1
チャンネルの設定
チャンネル設定は、基本的に使用する周波数帯域の、
- 同グループ
- 別チャンネル
で使用します。
細かなチャンネルの設定はこちらの記事
一般的な運用連絡などの必要ないB型ワイヤレスは、最大7波使えます。
例えば、つくしがよく使っていた7波プランは、
B11
B12
B13
B14
B26
B36
B46
です。
このプランが一番覚えやすい^^
それ以上必要な場合や、施設などでB型を使用していて使いたい数を使えない場合は、A型ワイヤレスを使います。
A型ワイヤレスは、購入して使用する場合とレンタルして使用する場合があり、どちらも
- 運用連絡
- 運用調整
が必要です。
ワイヤレスの準備3-2
A型ワイヤレスの使い方
A型ワイヤレスの手続き
A型ワイヤレスマイクは、運用連絡、運用調整が必要なマイクです。
購入して使う場合と、レンタルして使う場合があり、運用連絡の仕方が違います。
A型ワイヤレスマイクを購入して使う場合
- A型ワイヤレス購入後、使用時に運用連絡(特ラ機構へ)
- 運用連絡後、運用調整(現場使用者間で)
という手続きが必要です。
購入の流れはこちらの記事
以上の手続きから、購入の場合は使用までに時間がかかります。
購入後、使用までの流れ
購入後、使用時毎に運用調整をします。
- 特定ラジオマイク運用調整機構のHPより運用連絡票をダウンロード
- 運用連絡票の解説に従い入力
- 運用連絡票専用のメールアドレスへ送信
同じエリアでA型ラジオマイクが使用されている場合、その連絡先が特定ラジオマイク運用調整機構から送られてきます。
それらの連絡先と連絡をとり、チャンネルを打ち合わせます。
A型ワイヤレスマイクをレンタルして使う場合
- レンタル時に、運用連絡(レンタル会社へ)
- 運用連絡後、運用調整(現場使用者間で)
という手続きが必要です。
レンタルから使用までの流れ
レンタル時、運用調整のために以下の情報提示が必要です。
- 日時
- 場所
- 屋内か屋外か
- イベント名(番組名)
- 担当者名
- 担当者電話番号
- 担当者メールアドレス
運用連絡後、同じエリアでA型ラジオマイクが使用されている場合、その連絡先が、特定ラジオマイク運用調整機構からレンタル会社へ届き、レンタル会社から担当者へ送られてきます。
それらの連絡先と連絡をとり、チャンネルを打ち合わせます。
ワイヤレスの準備4
マイクヘッド準備
事前に用途が確定している場合、マイクヘッドの準備をします。
アクセサリーなど用途に合わせ、適切に選択しましょう。
タイピンクリップの選択
タイピンリップは、ピンマイクを固定するために重要なアクセサリーです。
画面に映るということもあり、見た目よく装着しなければなりません。
適切に取り扱いましょう。
種類は、
- 横ピン
- 縦ピン
- 安全ピン
があります。
横ピン

ジャケット、ワイシャツなど、横に挟む場合に使用します。
左右どちらに付けるのかを想定し、準備しましょう。
縦ピン

Tシャツ、ワンピースなど、縦に挟む場合に使用します。
マイクにクリップを挟む方向で、衣装を上から挟む仕様と、下から挟む仕様にすることができます。
安全ピン

ハイネックやタイトな衣装で、クリップで挟めない場合に使用します。
使う場合は、安全ピンで衣装に穴が空いてしまいます。確認が必要です。
装着位置について
装着位置は、基本的に胸部の真ん中に装着します。
具体的には、
ワイシャツのボタンの、上から2番目と3番目の間です。
衣装の都合上、左右どちらか寄りに付けることが多いので、主に顔を向ける側に付けます。座りや移動しない場合は、特に顔を向ける方向が一定になってくるので、注意しましょう。
しかし、あまり左右に寄せすぎるのもよくありません。やや右、やや左という具合です。
例えば、
カメラの正面に向かって3人横座りの場合、ピンマイク装着位置は、
- 下手(左側)の人は、向かってやや右
- 真ん中の人は、真ん中
- 上手(右側)の人は、向かってやや左
というイメージです。
風防(ウィンドスクリーン)の選択
ピンマイクは風防が無いとすぐに吹かれて ボボッ というノイズが発生してしまいます。
とても重要なアクセサリーですが「あれ?!ない!」と、紛失しやすい物です。
取り扱い、管理、注意です。
風防のない外ロケはとても困難です。必ず予備を携帯しておきましょう。
種類は、
- メッシュ (メタル)
- ウレタン
- フェイクファー
があります。
また、衣装に合わせてカラー風防があると重宝します。

メッシュ(メタル)

ニュースなどのスタジオ収録など、屋内で使用します。
風防の中で最も小さくシンプルです。
しかし、風に弱い為、外での使用は困難です。
ウレタン

スタジオからロケまで幅広く使われます。
この素材で大きさの種類があり、大きな物では強めの風も防ぐことができます。
フェイクファー

メッシュやウレタンの上から装着できるので、現場の状況で脱着可能。
風に強く、機材の大敵、雨や海のしぶきからマイクヘッドを保護するという観点からも、ロケには携帯必須のアクセサリーです。
この風防が使われてようになった頃、ディレクターや衣装さんから「大きい」「目立つ」とよく指摘されましたが、現在ではロケの定番になり、頻繁に使われるようになりました。
しかし、「大きい」「目立つ」という事には変わりないと思います。
室内や、必要のないシーンで違和感を感じる場合は外す。という判断、相談は必要だと考えます。
音声的には、付け続けていればとても安心で便利なアクセサリーです。
しかし、このシーンで付いているのはどうなのか?という違和感、疑問を感じた時、第三者の意見を聞くことは重要です。
ピンマイクを隠す(仕込む)場合
ドラマなど、マイクが見えてはいけない収録もあります。
ガンマイクで収録できれば問題ありませんが、
- マイクから音源が遠い
- 周りのノイズが大きい
などの場合は、衣装または音源に近い場所へピンマイクを仕込まなければなりません。
そのためのマイクヘッドの加工は、ガムテープ、フェイクファー、両面テープ、医療用テープなど、様々な方法があります。
どれもそれほど時間のかかる作業ではありませんが、仕込み方法が決まっていて加工したままでいい場合は、準備しておきましょう。
詳しいピンマイクの仕込み方はこちらの記事
ここまでの準備が終了したら、ビニールテープやコンソールテープ(アーティストテープ)を使い、番号や装着する人の名前を記入しておきましょう。
ワイヤレスの準備5
送信機の装着
送信機を装着する場合、衣装や作品の都合などにより、送信機付属のクリップだけでは不十分な場合があります。
よく使われているカイロベルトや、その他、小物入れなどを用意しておくと便利です。
カイロベルト

もともとカイロを入れるためのものです。ドラッグストアで購入できます。
ワンピースなど、送信機がしっかり固定できない場合や、固定できる場合でも、ドラマなど送信機が見えてはいけない場合に使用します。
送信機を袋に入れ、服の中で腰に巻き付けて固定します。
小物入れ(カラビナ付き)

100円ショップで購入できます。
カラビナがついているタイプが便利です。
送信機は、ベルトなど腰に付ける場合や、ズボンの後ろポケットに入れる場合が多く、乗り物に長時間乗る場合などは、送信機が腰を圧迫してストレスになることがあります。
このタイプに限定はしませんが、衣装との兼ね合いも考慮し、送信機が収納できる小物入れを準備しておくととても重宝します。
ワイヤレスの準備を現場でしない理由
A型ワイヤレスの手続き以外を当日現場で行うことは可能です。
しかし、その作業を現場でしない理由は二つあります。
まず一つ目は、
作業が細かく時間がかかってしまうことです。
ここまでの工程を見ておわかりだと思いますが、ワイヤレスの準備は、とても細かく繊細な作業になります。
余裕もって行わないと、電池の+と−を間違えるといった初歩的なミスが起きてしまいます。そんなミスはしない。ということが起こるのです。
一つ一つ確認しなければならないので、時間がかかってしまう作業なんです。
そして二つ目は、
現場でしなければならない作業がたくさんあるからです。
現場到着後は、下見や打ち合わせなど様々な仕事が発生します。
ENGの場合は、
- 撮影動線の確認 打ち合わせ
- ワイヤレスマイクの付け替えの確認
- 電池交換のタイミング
ドラマの場合は、
- カット割りの確認
- 不必要なノイズ(車止めなど)の確認 止める段取り
- 必要な現場ノイズの確認 録音
中継の場合は、
- 台本 フェーダーワークの確認
- VTR SEなど素材の確認
- 収録や送り先へのレベル確認
などなど、現場では様々な確認のために時間を使います。
以上の時間を現場で使えるように、細かい機材の準備は事前に済ませておきましょう。
あとがき
仕事は準備が7割とか、8割。と言いますね。
撮影の仕事も例外ではありません。
ワイヤレスは、マイクを使う人の動きが自由になり、演出的、映像的な表現が広がる機材です。
また、音声的にはマイクと音源の距離が一定に保たれる。
というとてもメリットの多いマイクです。
しかし、
これらの表現やメリットは、機材準備をしっかりした延長上にあります。
それは、撮影内容で変わってくるので、打ち合わせやスケジュールの確認が大切です。
準備の為の準備。からですね^^
ワイヤレスは無限に飛びませんし、装着に時間はかかりますし、その現場の条件を満たした本数しか使えません。
このように、機材準備の前段階でいろいろな条件を把握して「できること」「できないこと」をはっきりさせておきましょう。
そして、準備の最後に重要な確認項目があります。
それは、
全ての送受信機の電源を切る!です。
ワイヤレスの準備で一度はやってしまうミスが、電源の切り忘れです。
「え、交換すればいいじゃん」と思いますよね。
でも、そういう時に限って、持って行った電池の本数がギリギリ(汗)
コンビニで買い足し。という結果になります。
朝、最初の作業が電池交換、コンビニ探しにならないように注意です!
今回はここまで!
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