こんにちは!
つくしです
少し前に書いた記事の、
【ワイヤレスピンマイク(ラベリアマイク)の仕込み方(隠し方・付け方)】
では、主にマイクヘッドの加工についてお話ししました。
実践しましたか?
今回はその詳細版。
「マイク」や「送信機」が見えてはいけない撮影の、
「スーツ編」です。
(仕込み難易度☆☆☆)
前回何の問題もなかったのに……
何で?ということが多い仕込み難易度の高い衣装です。
そのスーツは、主に以下の4パターンが想定されます。
- ジャケットあり ネクタイあり
- ジャケットあり ネクタイなし
- ジャケットなし ネクタイあり
- ジャケットなし ネクタイなし
そして、これらに対応したマイクの装着位置は、
- ネクタイの結び目
- ネクタイの横
- ワイシャツの襟
- ワイシャツのボタンの間
- ワイシャツの中
- ジャケットの内側
主に以上の6パターンとなります。
また、
送信機の位置も、
- ジャケットの内ポケット
- ズボンの後ろポケットorズボンの内側
- ズボンの前ポケット
以上の3パターンあり、それぞれを状況に合わせて組み合わせていきます。
それではまず、各装着位置へのマイクの仕込み方と、それに対応したスーツのパターンを見ていきましょう。
今回の記事は、上記の【ワイヤレスピンマイク(ラベリアマイク)の仕込み方(隠し方・付け方)】をベースに書かれています。マイクヘッドの加工や用語など、わからない点は参照しながら読み進めていってください。
目次
① ネクタイの結び目
【対応スーツパターン】
・ジャケットあり ネクタイあり
・ジャケットなし ネクタイあり
特にマイクヘッドの加工はせず、ネクタイの結び目に入れ込み、下向きに調整。
襟のケーブルをガムテープで固定する方法です。
スーツの仕込みで、つくしの経験上最も安定した装着位置です。
しかし、風に弱いという弱点があり、室内の撮影に向いています。
装着方法
ジャケットがありジャケットでケーブルを隠せる場合と、ジャケットがなくジャケットでケーブルが隠せない場合があります。
ケーブルルートが違うのでそれぞれ見ていきましょう。
ジャケットでケーブルを隠せる場合
- ワイシャツの外側、背中から襟へ通します
- 襟の中、首に沿ってネクタイの結び目へ
- 結び目には横から入れ、ネクタイ正面へ下向きで通します
- マイクヘッドが見えないように調整
- 風対策が必要な場合はコットンを詰めます
- 動きでマイクがずれないように、必ず襟の横や後ろをガムテープでしっかり固定します
衣擦れの原因となるにでしっかり固定しましょう!
ジャケットでケーブルを隠せない場合
- ワイシャツの中を通し首元から出します
- 結び目には横から入れ、ネクタイ正面へ下向きで通します
- マイクヘッドが見えないように調整
- 風対策が必要な場合はコットンを詰めます
- 動きでマイクがずれないように、必ずワイシャツの中をガムテープでしっかり固定します
動きでマイクがずれないように、ワイシャツの中で必ずケーブルを固定しましょう
② ネクタイの横
【対応スーツパターン】
・ジャケットあり ネクタイあり
・ジャケットなし ネクタイあり
マイクヘッドを両面テープかガムテープ三角で加工し、ネクタイの間に横向きで固定する方法です。
風に弱いため、対策は必要です。
装着方法
- ワイシャツの中を通し首元から出します
- ネクタイで挟み両面をしっかり固定します
- 風対策が必要な場合はコットンを詰めます
動きでマイクがずれないように、ワイシャツの中で必ずケーブルを固定しましょう
③ ワイシャツの襟
【対応スーツパターン】
・ジャケットあり ネクタイあり
・ジャケットあり ネクタイなし
マイクヘッドを両面テープで加工し、ワイシャツの襟の裏に固定する方法です。
襟の場合、両面に粘着の必要がないので、片面にガムテープを貼ります
ケーブルの都合上、ジャケットなど後ろの襟が隠れる衣装着用が条件です。
風に弱いため、対策は必要です。
装着方法
- ワイシャツの外側、背中から襟へ通します
- 首にそって襟の先端少し手前に装着
- 風対策が必要な場合はコットンを詰めます
- 動きでマイクがずれないように、必ず襟の後ろでケーブルをしっかり固定します
④ ワイシャツのボタンの間
【対応スーツパターン】
・ジャケットあり ネクタイなし
・ジャケットなし ネクタイなし
マイクヘッドをガムテープ三角か両面テープで加工し、ワイシャツのボタンの間に装着する方法です。
ネクタイに当たってしまうため、ノーネクタイが条件です。
風に弱いため、対策は必要です。
装着方法
- ワイシャツの中を通し、上から2個目と3個目のボタンの間へ装着
動きでマイクがずれないように、ワイシャツの中で必ずケーブルを固定しましょう
⑤ ワイシャツの中
【対応スーツパターン】
・ジャケットあり ネクタイあり
・ジャケットあり ネクタイなし
・ジャケットなし ネクタイあり
・ジャケットなし ネクタイなし
マイクヘッドをフェイクファーで加工し、ワイシャツの中、ネクタイの左右どちらかに装着する方法。
比較的衣擦れが起こりやすい方法なので、静かな現場での使用は困難。
よって、ベースノイズの高い(うるさい)現場で有効です。また、比較的風に強いという長所があります。
このフェイクファーの既製品はこちら、
装着方法
- ワイシャツの中を通し、ネクタイの横へマイクヘッドがくるように装着
⑥ ジャケットの内側
【対応スーツパターン】
・ジャケットあり ネクタイあり
・ジャケットあり ネクタイなし
マイクヘッドをガムテープ三角か両面テープかフェイクファーで加工し、ジャケットの内側へ装着する方法です。
- ジャケットの内側の場合、両面に粘着の必要がないので、片面にガムテープを貼ります
- ジャケットの色に合わせたガムテープの色が理想です
装着時間が一番短い方法です。また微調整も簡単で、うまくいけば最も効率のいい仕込み方いえますが、反面衣擦れも起こりやすい方法でもあります。
装着方法
- ジャケットの内側ポケットや、ズボンのポケットなどから直接ジャケット装着位置へ
- ケーブルをジャケットの内側へうまく隠すことがポイントです
- ジャケットが薄い生地の場合、送信機の重さで衣装の形が変わってしまわないように注意
- 必要に応じてコットンを詰めて吹かれ対策をしましょう
送信機の位置
スーツに対応した送信機の装着位置は、主に以下の3パターンになります。
①ジャケットの内ポケット
ここに仕込むことができれば脱着がとてもスムーズにできます。
しかし、ジャケットが薄い生地の場合、送信機の重さで形に影響が出る場合があります。注意しましょう。
【対応マイク装着位置】
・ネクタイの結び目
・ネクタイの横
・ジャケットの内側
②ズボンの後ろポケット or ズボンの内側
ケーブルはベルトの内側を通します。
【対応マイク装着位置】
今までのネクタイの結び目から、ジャケットの内側まで全ての装着位置に対応可能
③ズボンの前ポケット
ケーブルはベルトの内側を通します。
【対応マイク装着位置】
今までのネクタイの結び目から、ジャケットの内側まで全ての装着位置に対応可能
それでは最後に、
マイクなどを固定するテープ類を載せておきますね。このテープが使いやすくてしっくりきます。
現場においてとても重要な消耗品です^^
撮影現場の必定品ですね!
必ず用意しておきましょう。
あとがき
【確実なことがない仕込みで確実にいえること】
今までに何度も書いてきましたが、
「仕込む」という選択肢は、一度うまくいった方法でも状況によってなかなかうまくいかない。という不安定な録音方法です。
でも、つくしの経験上一つだけ確実なことがあるんです。
それは、
「マイクケーブルが引っ張られたら必ず衣擦れが起こる」
です。
そんなの当たり前。
と思いますよね、
それが、
「この衣装に完璧に仕込んでやる!」と送信機からケーブルまで丁寧にきちっと仕込んでいると、ついマイクヘッドの方にテンションがかかっている。
ということがよくありました(汗)
何事も、ほどほどの「あそび」が大切なんですよね^^
なので、
仕込み方にも書いてある、
「襟やワイシャツの中でケーブルを固定」
というこの一手間は、マイクヘッドの方に適度な「あそび」を与えるためにとても重要なんですね。
体の動きでケーブルを引っ張り、それが直接マイクを引っ張る。
これを防ぐというわけです。
うまく録れない原因は、ほんと些細なことなんです。
ということで、
やっぱりつくしは、ガンマイクが好きですね^^
追伸
仕込みは難しい。
ということばかり書いてしまったかもしれませんが、そんな状況ばかりではありません。
これも経験上ですが、時にはどうやっても、どこに仕込んでも問題なく音を録れることも多々あります。
スポーツ選手でいう「ゾーン」のような状態なんですかね(笑)
ま、そんなかっこいいものではありませんが、それはあります。
言葉はともかく、
それも努力の賜物ってことなんで、やっぱりこれも経験です。
今回はここまで!
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