こんにちは!
つくしです
今回は「マイク」や「送信機」が見えてはいけない撮影の、
「ワンピース編」です。
(仕込み難易度☆☆☆)
この衣装の難しい点は、
ずばり、
送信機の装着位置です。
特に、タイトで丈の短い場合(涙)。
しかも、男性スタッフであれば、出演者・衣装・メイクさんに頼むしかないという点が、この衣装の仕込みをさらに難しくしています。
しかしこの問題点、
音声スタッフに女性がいれば解決します。
なので、マイクを仕込むという作業は、女性が適任というわけですね。
それではまず、ピンマイクの装着位置から見ていきましょう。
今回の記事は、前に書いた【ワイヤレスピンマイク(ラベリアマイク)の仕込み方(隠し方・付け方)】をベースに書かれています。マイクヘッドの加工や用語など、わからない点は参照しながら読み進めていってください。
目次
ピンマイク装着位置
ワンピースにもいろんな種類があると思いますが、装着位置は基本的に胸元の真ん中です。
胸元が見えるくらい空いているデザインの場合は、空いている左右へ仕込む。
という判断になります。
マイクヘッドは、フェイクファーか両面テープの加工がベストです。
【フェイクファーで加工】
【両面テープで加工】
加工方法に関しての記事はこちら、
衣装の素材によって衣装側か素肌側かを決めます
ワンピースの仕込みは、胸元の真ん中でしたね。
そして、具体的に貼る場所は、
体側と衣装側の2パターンあります。
体側に貼る場合
体側にはこのように貼ります。
【体側に医療用テープを使ってフェイクファーを装着】
【体側に両面テープを使って装着】
衣装側にが透けない色のガムテープを貼りましょう。
(素肌に付ける場合、両面テープは粘着力が強いので必ず出演者に確認しましょう)
写真のマイクは吹かれ対策をしていませんが、吹かれる可能性がある場合は、コットンを使って風対策をしておきましょう。
こんな感じですね、
つくしの経験上、「体側」に貼る方が安定して録れるので、ワンピースに仕込む場合はこちらを基本にしていました。
しかし、
ワンピースの内側は、素肌や下着の場合が多く、そこに粘着テープを付けるのを嫌がられることは少なくありません。
なので、
- マイクをなぜ仕込むか?なぜ体側か?をしっかり説明して納得してもらう
- 医療用テープを使う
などの配慮も必要です。
「マイクをなぜ仕込むか?」の理由は、
- 映像のサイズが広くてガンマイクが入れない
- セリフが小さくて映像のサイズが広い
- 周りのノイズが大きいのでガンマイクでは録れない
- 周りのノイズが大きいのでカットごとのベースノイズを一定にしたい
などですよね。
また、
「なぜ体側か?」の理由は、
- 体側の方がマイクが安定して音が安定するから
- 衣装が透けるから
などです。
ちゃんと説明できる。納得してもらう。信頼関係を築く。これも技術です。
そして、素肌に貼る場合は、医療用テープは必ず用意しておきましょう。
結果ガムテープで付けることになっても、「配慮がある」と「配慮がない」とでは、その後の仕事のやりやすさが違うものです。
これも、技術です。
【周りのノイズが大きいのでカットごとのベースノイズを一定にしたい】とは?
ピンマイクを付ける。という録音方法は、音源とマイクの距離が一定に保たれてるため、カットが変わってもベースノイズは一定に保たれる。ということです。
ベースノイズとは、現場ノイズのことを指します。
ベースノイズが大きい現場で、1シーン内でカットごとに変わる映像サイズに合わせてガンマイクを使った場合、
- セリフとの距離でミキサーのボリュームが変わり
- 結果現場ノイズもカットごとに変わり違和感ができる
ということになります。
1シーンは数カットから構成されています。ベースノイズを意識するのは1シーンです。
その中で、
「今録っている1カットが、その他のカットとつながるか?」を常に考えて録るのが基本です。特にガンマイクで録る場合は重要な技術です。
衣装側に貼る場合
衣装側にはこのように貼ります。
【衣装側にガムテープを使ってフェイクファーを装着】
【衣装側に両面テープを使って装着】
写真のマイクは吹かれ対策をしていませんが、吹かれる可能性がある場合は、コットンを使って風対策をしておきましょう。
こんな感じですね、
ただし、衣装側へ貼る場合は条件があります。
- ピンマイクを貼れるしっかりした生地であること
- 透けないこと
です。
しっかりとした生地の衣装ならマイクも安定しますが、動きがある場合はやはり体側がいいでしょう。
また、
フェクファーで貼る場合は、ファーが見切れてしまうことを考慮しましょう。なので、フェイクファーで仕込む場合は、少し奥に貼ることになります。
風の影響がないのなら、両面テープで貼る方がより衣装の上の方に貼れ、音の抜けの心配がありません。
この衣装はこの方法!ではなく、
経験から引き出しを増やし、状況に合わせて仕込むようにしましょう。
送信機装着位置
ワンピースの仕込みで悩まされるのが、この送信機の装着位置です。
しかし問題は、送信機が見えてはいけない状況のタイトなワンピースだけです。
あまり難しく考えずやってみましょう。
基本はカイロベルトで背中に
基本はこのカイロベルトを腰に巻いて、背中に装着します。
これは本来、「使い捨てカイロ」を入れるためのものです。
なので、このカイロベルトでなければダメ。ということはありません。
調べるといろんなカイロベルトがあります。使いやすいものを探してみましょう。
そろえておきたいの色は、黒とベージュです。
たまに、「下着に直接装着します」という慣れた出演者の方います。しかし、ワイヤレスマイクを使う。という場合は、カイロベルトの準備はしておきましょう。
例えばスポーツのような、動きが激しい撮影でワイヤレスマイクを使う場合にも重宝しますよ。
タイトなワンピースの対策①
特定の映らない装着位置か、写る角度によって装着場所を変える
さて、ここから送信機の装着位置に困る、タイトなワンピースについてです。
タイトなワンピースで、送信機の形がわかってしまう対策①は、
「特定の映らない装着位置」か、
「写る角度によって(カットごとに)装着場所を変える」
です。
「特定の映らない装着位置」とは、
前から撮影して後ろが映らない場合は、形がわかっても背中でOKですよね。
といった具合に、常に映らないポイントがあればいくら形がわかってもその位置に。
ということです。
次に、
「写る角度によって(カットごとに)装着場所を変える」とは、
特に細かくカットを分けて撮影する場合はそのカットでわからなければOK。ということです。カットごとに変えてしまいましょう。
1カット目は、
前が映るから背中に
2カット目は、
後ろが映るからお腹に
3カット目は、
右側が……
という具合です。
そして、
問題なのは、どの方向からも映る場合です。
タイトなワンピースの対策②
どの方向からも映る場合は「脇」「 内腿」
タイトなワンピースで、送信機の形がわかってしまう対策②は、
「脇」「 内腿」
です。
最終的には、ここしかない。という装着位置です。
映画やドラマできわどい衣装の場合は、定番(?!)ですが、少し抵抗があると思います。
この場合も、なぜこの位置に仕込まなくてはいけないか?をしっかり説明して装着してもらいましょう。
【脇に装着した場合】
【内腿に装着した場合】
どちらの装着位置に仕込む場合も送信機のカバーを外し、できるだけ小さくしておきましょう。
写真の送信機は、SONY WRT-822(懐かしい)です。
これ以降の送信機はもう少し小さいので、写真より小さくなりますね^^
まとめ
ワンピースの仕込みをまとめると、
- ピンマイクの装着位置
胸元の真ん中 - 送信機の装着位置
カイロベルトで背中
です。
ただし、
タイトなワンピースで、どこに装着してもわかってしまう場合は、
- 特定の映らない装着位置か、カットごとに変える
- 脇か内腿に装着
という判断です。
文章で書くと以上ですが、現場で実践してみると時間がかかるものです。
反対に、どこにどう仕込んでもササッとうまくいく時もあります。
微調整して、微調整して、本番終了……
「録音部さんどうでしたか?」
と衣装さんに聞かれ、
「ばっちりです!ご協力ありがとうございました!」
(結果、ガンマイクで録ったんですけど……スイマセン)
ということもあります。
というわけで、ワンピースは、衣装、メイクさんの協力が必ず必要になります。
良好な関係を築いておきましょう。
今回はここまで!
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