ん術100m走は、陸上競技の「花形」といっても過言ではないほど、多くの人が注目する人気のある種目です。
世界トップクラス大会では10秒未満で勝負が決まってしまうこの種目も、ペース配分しながら走っているって知っていましたか?
ちなみに筆者は100m走なんてただただ全力で走っているだけだと思っていました…。
そこで今回は100m走におけるレース中のペース配分について詳しく調べていこうと思います。
また、選手みたいに速く走ってみたい!
と思っている人のために、100m走を速く走るためのコツも合わせて紹介します。
目次
100m走にもペース配分
ペース配分の組み立ては?
100m走などの短距離走はスタートからずっと一定の速度で走っているわけではありません。
静止状態から加速していき、最大スピードに達したのちに速度が徐々に低下してゴールするという流れがあります。
この特徴的なスピードの移りかわり方は中学生でも、トップアスリートでも変わりません。
このレース中の速度推移は「レースパターン」と呼ばれており、パフォーマンスを高めるための一つの手掛かりとして用いられています。
スピードの移りかわり方をおおまかに4つに分けて説明していきます。
スタート後、急激に加速していく局面を「1次加速局面」といいます
クラウチングスタートと呼ばれるスタート方法で走り出し、人間の身体のパーツで一番重い頭を下げてダッシュします。
この時の上体の角度は40度~45度と前傾姿勢になっています。
緩やかでやや長い加速、トップスピードにつなげるための局面を「2次加速局面」といいます
前傾姿勢では太ももの前側の筋肉を使うことになり、上体が起き上がると太ももの後ろ側の筋肉へと切り替わります。
前側の筋肉は瞬発力が高いですが、持久力はありません。そのため、前傾姿勢で走る距離が長いと前側の筋肉が疲れてしまいます。
しかし、早々に上体を上げると後ろ側の筋肉に疲労が溜まり、後半に失速の要因となります。
つまり、前側の筋肉と後ろ側の筋肉を丁度良く使うことがタイム短縮に繋がります。
その目安が前傾姿勢は20mまでと言われています。
そしてトップスピードが出る局面へとつながります
フォームを意識し、リズムよく強い腕振りと、足も下に・下にと意識すれば推進力がうまれます。
足の着地位置は重心の真下で、この重心から外れると上体が前傾や後傾になります。
足を重心の真下に着地させることが出来れば、上体が傾くこともなく腰も高い位置で次の一歩に加速が最大限伝わります。
最後に「減速局面」とよばれる疲労により速度が徐々に低下する局面を迎えます
オリンピックの一流選手もこの区間から最高速度を保つことができなくなってきます。
さらに接地時に反対足の引き付けが遅れずに行われているかがポイントとなり、体幹の筋力や深層筋といわれる部分の腹筋を使って走る技術が要求されます。
100mは短いようで長い距離です。
ただ全力で走れば良いというわけでなく、実は頭を使いながら走らなければいけない種目ということです。
100m走において、特に重要な能力が「トップスピードの高さ」です。
このトップスピードの高さは、100mのタイムと深く関係してきますので、100m走ではいかに2次加速を経て最大スピードを上げることができるかどうかが重要なポイントとなるわけです。
しかし、100mのタイムが良いほど最大スピード地点はスタートから遠くになりやすいが、トップスピードに到達するまでの時間が長くなるわけではないのです。
どのレベルであっても、スタート後は約6から7秒程度で最大スピードに達することが多く、加速しきるのに要する時間はどの選手でも一定で限られているということになります。
その時間内にどれだけ高いスピードを出せるかどうかが勝負の決め手になりやすく、最高速度到達距離が長くなるのはその結果だと考えられます。
これらを踏まえると、ペース配分などを考える前に、100mのタイムと関係の強い、最大スピード、「6-7秒間でどれだけ高いスピードを出せるか」に焦点を絞って練習やトレーニングの内容を考えていく必要があります。
100m走のペース配分
早く走るためのコツ
まずは自分が今出せる100m走の最高タイムを計り、自分の実力をしっかり把握しましょう。
100m走を速く走るためにはまず、自分のタイムを知ることが大切です。目に見えてわかる「伸び」はやる気につながるため、タイムの計測は重要です。
次に、100m走をしたときの自分のフォームや走り方を分析してみましょう。
独学で走っていると、自分の癖がついています。短距離走で速く走るためにはその癖を直して、きちんとしたフォームを身に付けなければいけません。
腕振りが甘かったり、上体が被りすぎていたりと、足の運び方ひとつでもずいぶんと記録は変わってくるものです。自分の欠点をトレーニングによって直すことができれば、100m走のタイムは確実に速くなります。
100m走のような短距離では足の運び方が大切です。
ふとももは大きく上にあげ、膝から下はリラックスしながら軸足はまっすぐにすることを意識します。地面を捉えたあとはしっかりと蹴り上げ、蹴り上げた後は素早く引き上げます。この足の動きで100m走での一連の流れが完成します。この一連の流れでは踵は地面につきません。
また、速く走るためには腕振りも重要です。
腕をしっかり振ることにより、足の動きにもつながります。まずは肘を90度を目安に曲げましょう。その際、手のひらは軽く握る程度で、ギュッと握ってしまうと余分な力が入ってしまいます。腕振りのコツは肘をできるだけ後ろに素早く引くように動かすことです。肘を引くと同時に膝が上がるので、素早く大きく動かすようにしましょう。
肩の力は抜いてリラックス状態にしましょう。腕振りを正しく行うためには、肩甲骨の柔軟性が必要になってきます。両腕を伸ばして大きく円を描くように動かすなど、肩甲骨のストレッチも行いましょう。
いかがでしたでしょうか。
単純な競技だからこそ知れば知るほど奥が深い100m走。
世界のトップクラスの走りを研究してみると、こんな戦略があったんですね。
今回はここまで!
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