こんにちは!
つくしです
機材って、
重いですよね。
特にENGの音声さんは装備が多いですからね、
ワイヤレスが、7波、8波、、、のバラエティロケは、つくしの場合「筋トレの日」と考えることにしていました。
さらにロケによっては移動が長いこともあって持久力の要素も。
しかし、
どんな状況でも現場は待ってくれません!
なので、
重いミキサーバックをかついでスムーズに現場をこなすためには、訓練が必要なんです。
この記事は、かけだし音声さんのために、そのコツをお伝えします。
コツは「その時々の動きを決める」です
「あんなに機材持ってるのに、あの先輩なんであんなに素早く動けるんだろう?」
って思ったことありますよね。
その答えはずばり、
その時々の動きが決まっていて、毎回同じ動作を繰り返しているから。です。
当然先輩達は無意識にやっていますが、毎回同じ動作を決めて繰り返してるのでいやでも早くなるんです。
なので、まずこれを決めることが、ミキサーバックをかついで仕事をこなすために必要なんです。
特にかけだし音声さんが、現場で試行錯誤する前にこのことを把握して訓練しておくと早いです。
で、
この「その時々の動き」とは?
ですよね、
大まかに分けると、
- ミキサーバックをかつぐとき
- ミキサーバックを下ろすとき
です。
え、これだけ?
と思うかもしれませんが、
これだけです。
この動作が基本なのです。
これをスムーズにできるようになれば、仕事の効率が格段によくなるんです。
なれるまであたふたしますが、動きを決めて訓練するとによって、すぐにできるようになります。
というわけで、それぞれの状況別に見ていきましょう。
今回は、
・右利き音声さん
・4chミキサー
・ワイヤレス3波
・ガンマイク
という想定で説明します。
ミキサーバックの「かつぎ方」と「下ろし方」
まずは、ミキサーバックをかつぐとき。
なんですが、その前に「基本の形」を決めておきましょう。
「基本の形」とは、
ミキサーバックをかつぐ前や下ろす前にやっておくこと。です。
要するに、ケーブルやヘッドホンを整えておく。ということなんですが、
これらを「まとめる位置」が大切なんです。
スムーズな動きは、この基本の形を、守ることからはじまります。
基本の形
ミキサーバックに、4chミキサー、ワイヤレス3波をセットし、それぞれつなげてありますよね。
これらは個人個人の使いやすいセットでOKです。
重要なのはその他。取り回しをしなければならない、
- ガンマイクへ接続するケーブル
- カメラへ接続するケーブル
- ヘッドホン
で、基本の形を決めます。
ミキサーバックを置いて、かつぐ方向から下を見た場合、
- 右半分に
ガンマイクへ接続するケーブル - 左半分に
カメラへ接続するケーブル - その上に(真ん中に)
ヘッドホン
という配置で基本の形を決めましょう。
それぞれの配置には当然、意味があるんです。
①右半分に
ガンマイクへ接続するケーブル
なぜ右半分かというと、
ガンマイクを扱う利き手が右だからです。
利き手側にケーブルをまとめるのとまとめないのでは(読みにくい)、
ガンマイクをオペレート中や、ミキサーバックの上げ下げなどの取り回しに違いが出てきます。
結局、その取り回しが音声さんの仕事全体に影響を及ぼします。
どの動作も全てつながってるんです。
特に技術職の動きは経験でムダがなくなっていくので、一つの非効率が大きく影響してまうこともあるんです。
しかし、この「経験でムダがなくなっていく」には時間がかかります。
なので、
それを現場の経験だけではなく、訓練で経験して実践へ。これが習得までの近道です。
少し脱線しましたね、
戻ります。
ガンマイクのケーブルを利き手の方にする。
ということは当たり前といえばそうですが、教えられないと最初はそれすらわからないものです。
つくしも先輩を見よう見まねで試行錯誤の繰り返しでした。
その時に、
(なぜ、利き手の方にケーブルをまとめるのに違和感があるのか?)と考えたことがあります。ありませんか?
その理由の一つとして、
ポータブルミキサーのインプットが、上から見ると左側にある。
という点があげられます。
この点は、つくしが一番と言っていいほど「なんでーー!!」と感じ、試行錯誤に時間がかかった理由でもあります。
(共感していただけますか?)
でも「左利きには、いいもんな、、、」
と納得もしていましたが、
右半分であればいいので、ミキサーやワイヤレスの上にきれいに巻いて置いたり、ミキサーバックの右サイドにマジックテープをつけてまとめる。どんな方法でもOKです。
つくしは、直径約20cmぐらいに巻いてワイヤレスの受信機の上に置く派でした。
しかし、マイクブームに合ったケーブルの長さではない場合(長い場合)は、余るケーブルをミキサーバックの右サイドにヒモやマジックテープでまとめておきましょう。
つくしの場合、ENGでは2.6m程度のブームを使っていました。その時のガンマイクのケーブルは5mぐらいでした。
②左半分に
カメラへ接続するケーブル
なぜ左半分かというと、
ガンマイクのケーブルと逆だからです。
- 取り回さなければならない
- 違う用途
- 違う行先
というケーブルが重なり合ってまとめてある状況。
最悪です。
中継だったら事故前の光景です。
取り回さなければならないケーブルは分けてまとめる。
基本です。
左半分であればいいので、ミキサーやワイヤレスの受信機の上にきれいに巻いて置いたり、ミキサーバックの左サイドにヒモやマジックテープをつけてまとめる。どんな方法でもOKです。
つくしはこちらも、直径約20cmぐらいに巻いてワイヤレスの受信機の上に置く派でした。
アウトプットのケーブルは、通常のロケ中の長さ(ミキサーからカメラ)より、プラス少し余裕をもっておくものです。
通常使わない分は、当然きれいにまとめておくのですが、
このアウトケーブル。動きによっては、収録中に伸ばさなければならない状況がよくあります。
なので、
まとめてはいますが、すぐにほどいてケーブルを伸ばせるようにしておきましょう。
つくしの場合、ENGのアウトケーブルは5mぐらいがちょうどいい長さで、2.5mをまとめて、残りの2.5mをワイヤレスの受信機の上に置いて「基本の形」としていました。
③その上に(真ん中に)
ヘッドホン
最後に、ヘッドホンです。
ヘッドホンは、以上のまとめたケーブルの一番上に置きます。
なぜかというと、
ミキサーバックをかつぐ時は一番最初にヘッドホンをして、
ミキサーバックを下ろす時は一番最後にヘッドホンを外す。
からです。
また、ショルダーベルトに挟んだり、サイドに引っかけたり、ヒモやマジックテープなどで固定したりと、いろいろな方法はあります。
しかし、
なれるまではどれか一つに決めて、ミキサーバックの上げ下ろしの手順を常に同じにしておきましょう。
以上の「基本の形」を踏まえて、
- ミキサーバックをかつぐとき
- ミキサーバックを下ろすとき
を見ていきましょう。
前記しましたが、ここでも
・右利き音声さん
・4chミキサー
・ワイヤレス3波
・ガンマイク
という想定で説明します。
ミキサーバックをかつぐとき
「基本の形」を確認して、
- ミキサーバックのショルダーに首を通し、ヘッドホンやワイヤレス送信機などに注意して持ち上げます(両手でおさえておきましょう)
- 持ち上げてから右腕を通します
- ヘッドホンを装着します
- ガンマイクを持ちケーブルをつなげ、左肩に引っ掛けて両手を空ける
(まだブームは伸ばさない) - フェーダーがしぼってあることを確認したら【ワイヤレスの受信機】
↓
【ミキサー】の順で電源を入れます - カメラへ入力します
(ブームを伸ばす)
どうですか?
イメージできるでしょうか?
①〜②の
「首で持ち上げてから右腕を通す」の理由は、ケーブル、ヘッドホン、ワイヤレスの送信機を落とさないためです。
特にワイヤレスを先に付けられる現場ならば問題ありませんが、始まる直前にきてワイヤレスを付けてスタート!
という状況は多いんです。
この時、当然ミキサーバックをかついだまま付ける。ということになります。
なので、ワイヤレスの送信機がミキサーバックの上に並んだ状態。もあるわけです。
想定される最悪な条件で説明します。
普通の場所であれば落として(最悪です)も(ダメです)撮影可能だとは思いますが、
水辺とかだったら?
また、その他、
船上、湿地、プール、海、砂浜、高所、暗闇……
どうですか?
首で垂直にゆっくり上げて、安定した状態で右腕を通す。
理にかなってますよね。
機材を壊す事故は、習慣から起こることが多いんです。
同じ人が機材を壊す。そんなことないでしょうか?
改善策は簡単です。
「正しい習慣を身につけること」なんです。このことはとても大切な考え方です。
機材を現場で壊した場合、どうなるでしょう?
最悪ロケが止まります。
「首に引っ掛けてゆっくり垂直に上げる」にはこのような理由があります。
③の
「ヘッドホンを装着する」は、ミキサーバックの一番上に置いてあるので必然ですね。でもこれも、ヘッドホンを落とさないために先に装着する。ということです。
④で
ガンマイクをつなげたら、左肩に引っ掛けておきましょう。両手も自由になり、一番安定します。
ブームを伸ばすのは、カメラにつないでから。という習慣が効率的です。
ミキサーバックをかついでからカメラにつなげるまで、意外とやることがあったりします。この時ブームが長く伸ばしてあると、作業しづらいですよね。なので最後です。
⑤の
電源はシステム機器の基本です。よくPAシステムを例にして電源ON/OFFによる過大信号について説明されますが、要するに、
機器をON/OFFしたときに出る「バツッ!」という過大信号で、つながっている機器を壊さないように。
ということです。
「ENG機材で壊れるほどの影響はないのでは?!……」ですか?
ここです。
例えばこのことも、悪い習慣のひとつなんです。
前記しましたが、
「正しい習慣を身につけること」
これが大切でしたよね。
小規模のシステムで影響なくても、そこで習慣化したことが例えば中継業務で出てしまったら。
ここまで想像しましょう。
⑥は、
スタートする直前ですね。
始まる前に、少し遠くで(スタート位置なんかの加減で)ディレクターが、出演者と打ち合わせをしている場合もあるので、カメラマンにも聞かせる目的で入力する。ということも覚えておきましょう。
聞いてる前提で打ち合わせることもあります。
「え、聞いてなかったの?」という演出側と技術側のすれ違いが起こらないように。
ミキサーバックをかついだら、アンテナを広げ、集中です。
ミキサーバックを下ろすとき
「基本の形」に戻す作業ですね^^
ミキサーバックを下ろすとき①
この現場で終了の場合
- ミキサーのフェーダーをすべてしぼりきる
- 左手でカメラからアウトケーブルを抜く
- ガンマイクを縮めず左肩に引っ掛け両手を空ける
- アウトケーブルをミキサーの左側へまとめる
- ガンマイクのブームを縮めてケーブルを抜く
- 左肩へ引っ掛けなおすか安全な場合に置く
- ガンマイクのケーブルをミキサーの右側へまとめる
- ヘッドホンを外してケーブルの上へ置く
- 右腕をショルダーベルトから抜く
- 左手でヘッドホンとショルダーベルトの左側を、右手でガンマイクとショルダーベルトの右側を持ち、お辞儀をするような感じで優しく下ろす
どうですか?
イメージできるでしょうか?
①
終了すると出演者はすぐにマイクを外し電源を切る場合もあります。
完全に撮影終了が確認できたら、まずフェーダーをしぼりましょう。
②の、
「左手でカメラからアウトケーブルを抜く」という点。重要です。
左手だけでカメラからミキサーアウトケーブルを抜く技術は必須です!
スルッ、とできるようにしておきましょう。
コツは、左手の親指でXLRコネクタの爪を押す。です。
③は
後の作業のために、両手を空ける動作です。まずブームは縮めません。アウトケーブルを先にまとめます。
そして、右手でケーブルをまとめる時や、その後の作業のやりやすさ的にも「左肩へ」がポイントになります。
実際に動作をしてみたら体感できると思いますが……
右肩がやりやすかったらそれでOKです!
④は、
アウトケーブルの「基本の形」ですね。
⑤
アウトケーブルをまとめたらブームを縮め、コネクターを抜きます。
この時、必ずガンマイクのフェーダーがしぼってあることを確認しましょう。
⑥
安全な場所へ置くことができればベストですが、大抵左肩へ引っ掛けなおしてササッと片付けます。
⑦は、
ガンマイクのケーブルの「基本の形」ですね。
⑧は、
ヘッドホンの「基本の形」ですね。
⑨〜⑩は、
かつぐ時の反対の動作です。
左手は、
基本的にショルダーベルトの左端を持ちます。ヘッドホンは指でおさえる程度で落ちることはありません。
右手は、
ブームをしっかりにぎり親指でショルダーベルトを持つ感じです。
この状態でお辞儀をするようにミキサーバックを慎重に下ろしましょう。
ミキサーバックを下ろすとき②
ミキサーバックを一時的に下ろしてすぐに始まる場合
- 左手でカメラからアウトケーブルを抜く
- ガンマイクを縮めず左肩に引っ掛け両手を空ける
- アウトケーブルをミキサーの左側へまとめる
- ヘッドホンを外してケーブルの上へ置く
- 右腕をショルダーベルトから抜く
- 左手でヘッドホンとショルダーベルトの左側を、右手でガンマイクを持ち、片膝をついて下ろす
どうですか?
イメージできるでしょうか?
前記の、
【ミキサーバックを下ろすとき①】のブームを処理がないバージョン。と考えてください。なので細かい点の説明は省略させていただきます。
⑥の
コツとしては、右膝をついて左ももの上にミキサーバックをのせるようにすると、ガンマイクを置きやすいです。
この状況、よくあるパターンなので、訓練です!
ミキサーバックを下ろすとき【補足】
ミキサーバックをかついだまま作業をするとき
- 左手でカメラからアウトケーブルを抜く
- ガンマイクを縮めず左肩に引っ掛け両手を空ける
- アウトケーブルをミキサーの左側へまとめる
- ワイヤレスマイク直しなどの作業
ミキサーバックを下ろすまでもないけど手直ししたい!という場合です。
例えば、
「ピンマイクが少しまがってる!」
「直したい!」
ってこと、よくあります。
こんな場合に、
ササッ、
とカメラからケーブルを抜いて、
上記の手順で、
ササッ、
と作業しましょう。
できる音声さんはこの動きが早いんです。
動作もそうですが、現場に集中してるんですよね。
「誰よりも早く気づく」この点が大切です。
あとがき
次のシーンはあの人にマイクを仕込んで…
電池も交換しなくちゃいけないし…
あの現場はワイヤレスのチャンネルを変えなきゃいけないし…
照明も準備して……
というよくある忙しい状況。
始めたばかりの頃は、重いミキサーバックを使いこなせず動きが鈍いものです。
本人が一番くやしい瞬間。
かけだし音声さんあるあるです。
このように、
ただでさえ仕事が多い音声さんは、重いミキサーバックを自在に扱うスキルは必須なんです。
なので、
最終的には自分のやりやすい方法が身につくのですが、最初のとっかかりとして今回のコツを実践してみてください。
少しでもはやく自分の形にたどり着けるなら、近道したほうがいいですよね^^
今回は基本中の基本。なのですが、されど基本中の基本。なのです。
この動作を覚えることより、音声さんにとって重要な仕事は他にもたくさんあります。
が、現場を想像してください。
ENGにおいて、それらを駆使するためのほとんど。と言えるほど、ミキサーバックのスムーズな脱着スキルは、必要不可欠なんですよね^^;
できる音声さんって、
この脱着、
すっごく速いんです。
今回はここまで!
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