こんにちは!
つくしです。
今回は、
「ロケ前におきた出来事」
からのお話。
その日は「かつ丼」をテーマにお店を3軒紹介する内容。
がっつりグルメロケです!
この時点でおわかりかと思いますが、たくさんかつ丼を食べなければからない。
ということが予想できますね。
え?なぜ?
という方のために説明すると、
グルメ番組で紹介された商品は、基本的にその商品だけの撮影をします。
そのカットは「時系列でのインサート」「商品紹介」にて使用されます。
スタッフ間では、
- 商撮(しょうさつ)
- 物撮(ぶつどり)
- インサート
などと呼ばれます。
そしてそれはスタッフでおいしくいただく。のですが、当然ベストな瞬間を撮影しなければならないので、
湯気を出すためにあたため直していただいたり……
あたため直したら野菜の色が悪くなったから変えていただいたり……
などなど様々な事情により、どんどんどんどん商品が増えていく
→スタッフでおいしくいただく。
というわけです。
そんな音と照明の準備をしていると、いつの間にか同期のカメラマンがいて、いつものようにカメラチェックをしていました。(本日のパートナー)
が、
様子がおかしい。顔色も悪いし。
(体調でも悪いかな?いや、今日はかつ丼があるからそれはまずい!)
なんて思いながら、この時はかる〜い気持ちで、突っ込み待ちで、
「おはよー、どうしたー、猫でも死んだか!」
目次
つくしも犬を飼っていたことがあります。
雑種のメスで、名前は「ゴン」。
茶色で、例えるなら「からあげ」ような犬でした。
室内で飼っていたので、ゴンが小さい頃はいっしょに寝たり、起きたり、食べたり。
常にいっしょだったので、おやつを横取りされて真剣に喧嘩したり、空き地でヘロヘロになるまで追いかけっこしたり。
兄弟の様に接していたのを覚えています。
家族ですよね^^
しかし、
その時間は、永遠ではありません。
社会人になり、出張先に母からの電話で、その瞬間はやってきました。
就職をして実家を出ていたので、昔のようにゴンと接していませんでしたが、母から「最近少し弱ってきた」とだけ聞いていました。
今思うと、
この時に会いに行って散歩して、いっしょにごはん食べて、頭くちゃくちゃにして。
しとけばな。と……
冷たく、かたくなったゴンに触れた時。
小さい頃のからあげのようなコロコロとしたゴンを思い出し。
小説などの活字でしかみたことのない
「胸が引き裂かれる」
という感覚を初めて経験しました。
それは、
きっと同僚も以上の過程を経て、しかし、仕事だから踏んばって出社して
「影響を与えまい」
と気丈にふるまっている時に、
つくしの放った無神経な一言は、彼を貫いたことだろう。
「何て事を言ってしまったんだろう」
このカメラマン、大の猫好きで自己紹介では「カメラニャン」と名乗るほど。
そんな彼が溺愛していた猫が、今朝他界した直後の一言だったみたいです(悪)
もうこうなったらかつ丼どうのこうではなく、いかに今日のロケを完遂するか。という問題でした。
カメラニャンを機材車に積み、ディレクターと合流し、ロケスタート。
当然彼もプロなので、社会人としての責任をしっかり果たし帰社。
しかし、
大変でした(涙)
さすがに責任を感じ、その事を思い出させないように徹しました。
しかし、なかなか。
撮影の合間に時間が空くと、遠くをみて、上の空に。
そりゃそうですよね、
大切な家族を失ってしまったんですから……
撮影技術ワンクルーの人数は、撮影規模によりまちまちですが、音が必要で簡単な取材だったら、大抵は2人体制です。
技術スタッフの人数は、必要最低限の数で編成されます。
これ重要です。
そんな状況で、
「簡単な取材なんで」と言われて実際は、
- 4チャンネルミキサーをかつぎ
- ワイヤレス3波のミックスをして
- ガンマイクとバッテリーライト
- GoProの管理
といったブラックロケがあったりします。(よくない)
中には「これだけを1人でこなせた!どうだ!」という違う方向の達成感をもつ人もいます。
しかし、
残念ながらその考えは、良い作品をつくるという方向から離れていくと同時に、いろんな事故につながる可能性が高くなります。
少し脱線しましたが、大切なことなのでもう一度いいますが、
技術スタッフは必要最低限の人数で構成されています。
自分の守備範囲をしっかりこなすことで技術クルーは機能し、慣れきて初めて新しい手法や発想が生まれるものです。
この歯車に慣れないスタッフが入ると、他のスタッフがポジションを超えてフォローします。新しい発想どころか、自分の仕事も最低限になってしまいます。
そんな中、
つくしはよりによってカメラマンに、少なくとも今日1日は安静にしておかなければならない程のダメージを食らわせてしまったのです。
この日ほど、仕事に臨むメンタル、クルーの空気という技術以外の要素が現場に大切と感じたことはありません。
新人を卒業し、自分の技術(仕事)に自信を持ち始めたこの頃は、
番組その他、映像作品から技術を学び、先輩から仕事を教えられ、真似て。
寝る直前まで音のこと(仕事のこと)を考える毎日。
でした。
何より「楽しい」と感じ、一言でも「この前の作品観たよ!音よかったね!」「どうやって録ったの?」など、いい評価でもなくとも気にかけてくれるだけで1日ニヤニヤすることができました。
しかし今回は、
そんな自分の仕事の範囲内から「他のスタッフの状況」「立場」「現場の雰囲気」のことを一気に考えなければならない経験でした。
発端は、些細な(大事件です!)ことかもしれませんが、その後の仕事に対する姿勢を変える出来事だったことは間違いなく、今まで伸び伸びとさせていただいていた実践の場は
「常にフォローされていたんだな」
ということを気づかされました。
視点が変わるきっかけは、どの仕事にもあると思います。
そしてそれを知り、行動を変えるか変えないか。変える必要があるのかないのか。
に気づくこと。
この点を学ばせていただきました。
この件のつくしは急激に「視点」「行動」を変える必要が発生し、新しい仕事の考え方に至りました。
- 環境が変わり
- 視点が変わり
- 行動が変わり
- 考え方が変わった
この変化が一気に起こったのです。
(美化厳禁。自業自得です)
その後、この点はその後の後輩い育成に生かされます。
無駄な経験なんてありません。
周りの関係には「変な空気の仕事だったな」と感じただけかもしれませんが、つくしにとっては凄まじい変化の1日でした。
撮影技術。
現場ではいろいろな「人」に出会い、様々な「場所」へ行くことができます。
(お世話になります)
今までの考えを一変する場面に出会うことが多く、刺激的なのです。
やっぱ、り現場っていいな。
今回はここまで!
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