こんにちは!
つくしです
今回は、
「LINEもらいとは?」
「頭分けとは?」
です。
音声の仕事の中で、自分のマイク以外の音を収録する場合があります。
それは、
ホール、舞台、宴会場、イベント、報道発表など、会場でPAさんが出している音を収録させていただく場合。または、施設の設備で音を出している機器から直接収録させていただく場合。
このもらう音の総称をLINEと呼びます。
このように、外部からの音声を収録することを「LINEもらい」と呼び、その「LINEもらい」の中に「頭分け」というもらい方があります。
?!
頭分けって?ですよね。
それではまず、
「頭分け」について説明し、その後「LINEもらい」のもらい方や注意点について見ていきましょう。
目次
頭分けとは?なぜする?メリットやデメリットはある?
例えば、
新商品発売イベントの記録撮影で、3本のスタンドマイクがステージの上に並んでるとしましょう。
この場合に、PAさんからのミックスアウト(LRの2本または、モノラルで1本)をもらうことを一般的な「LINEもらい」といいます。
それぞれの音声さん達が、それぞれにマイクを設置して収録するのではなく、PAさんが設置したマイクから音声をいただく。という収録方法です。
とても効率的な収録ですね。
この収録方法は、
- 見た目がとてもシンプルになる
- 式典や催し物など、進行を把握することなく適切な音声がいただける
という大きなメリットがあります。
これに対しデメリットも様々ありますが、一番把握しておかなければならない点は、
自分たちが欲しいバランス(ミックス)にはならない。ということです。
それはそうですよね、PAさんは収録(録音)のためにミックスしているのではありません。PAと録音のミックスは違うのです。
しかし、
この点をPAさんと相談して解決する方法が、「頭分け」ということです。
「頭分け」とは、
最初に例えた状況の場合であれば、
3本のスタンドマイクを1本ずつ別々にもらう。
ということです。
要するに、会場に複数ある音源を個別に分けてもらうことです。
そして、この場合の1本しか必要ない。という場合は、その1本だけというもらい方も「頭分け」といいます。
具体的には、
- 舞台の上に置いてある集音マイク1つ1つ
- 役者1人1人についているピンマイク
- BGMやSEなどの再生機器の1台1台
これらの音を別々にもらう。ということです。
なんでそんなことを?
当然理由があります。
なぜ頭分け?理由と必要性
頭分けをする大きな理由はいろいろありますが、最も大きな理由は、
会場に出ている音と録音の音ではバランスが違うため
といえます。
例えばカラオケ大会の収録で、頭分けをしないLINEもらいの場合だと、
会場に出ているバランスはちょうどいいけど、録音に送られてくるバランスを聞くと、音楽が大きくてマイクが小さい。
という状況になることがあります。
この点が、録音と違う点といえます。
でも、なぜ録音とバランスが違うの?と思いますよね。
この理由のひとつとして、会場の音の幅が大きいために起こります。
会場の音の幅とは、
小さい音は小さく、大きい音は大きく出せる。
ということです。
小さい音とは、マイクの音。
大きい音とは、音楽です。
また、それに加えて会場では、スピーカの音がマイクに入り無限に大きくなる「ハウリング」という現象を防止するために、マイクの感度(マイクのボリューム)をできるだけ下げます。
この点からも、大きい音と小さい音の差(幅)が大きくなります。
当然この小さい音(マイク)は、会場ではしっかり聞こえています。
会場に出ている音は十分でも、信号として小さい(低い)。とうい状況なのです。
以上の場合、録音的には
大きな音の音楽にあわせるとマイクの音が小さく、小さなマイクの音にあわせると音楽が大きい。
というバランスになってしまい、調整できないレベルになるとお手上げです。
これは、PAと録音との仕事の違いなので仕方がありません。
この点が、頭分けの必要性なのです。
しかし、ということは逆に、
音の大きさの幅がないものであれば「頭分け」する必要がない。
ということですよね^^
実際に、PAさんのバランスでもらう音声で完結することも多いので、「LINEもらい」はPA様様なのです。
頭分けのメリット / デメリットと失敗を回避するための効果的なもらい方
簡単に「頭分け」と書いていますが、当然メリットもデメリットもあります。
メリットは、前項で説明した通り後処理が自由。ということ。
完成する作品にあわせたバランスで収録できる。という点が最大のメリットですね。
しかし、こんな便利な「頭分け」は、大変なんです。
デメリットは、使うマイクやその他の音源を使用する順番、台本を理解してオペレートする必要があります。
リハーサルで完璧に(汗)しなければなりません。
特にホールイベントや舞台の場合は、本番時間も長くなるので、予習が必要になります。
つまり、
入力が増え、オペレートが複雑になる。ということです。
なので、ゼロからミックスするのに自信がない場合は、オールミックスで足りない音を足す。
というもらい方がおすすめです。
具体的には、
- PAさんのオースミックス
- オールマイク
- マイク以外の音源
というもらい方ができるとオペレートが楽になります。
失敗回避かつ、録音バランスを考慮したLINEのもらい方です。参考にしてください。
以上のことをスムーズにこなせるように、上手に打ち合わせをしましょう^^
以上、「頭分け」については理解できましたね。
それでは次に、具体的な「LINEもらい」のもらい方や注意点について見ていきましょう。
LINEのもらい方、注意点
LINEもらいのメリットやデメリットは冒頭で説明したので、ここからは具体的なもらい方について説明します。
「LINEもらい」といっても様々な状況がありますが、大まかに分けて2パターンです。
- PAさんからもらう
- 設備の機器からぬきとる
です。
① PAさんからもらう
このパターンは事前にPAさんと連絡、打ち合わせをしておくことが必要です。
例えば、
- どんな音が必要なのか
オールミックス(会場と同じ音)なのか?頭分けなのか? - どこからもらえばいいのか
メインの卓なのか?
モニタの卓なのか?
設備のどこかなのか?
このような細かい点の打ち合わせはできなくても、「当日LINEをいただきたいです!」は必ず伝えておきましょう。
このような打ち合わせができたら当日挨拶後、「いつもらいに行けばいいのか」を聞きましょう。
PAさんもセッティングがあります。機材の設置中に「LINEもらいにきました」といっても相手にしてくれません。
現場到着時間の兼ね合いもありますが、相手の都合も考慮してスムーズなやりとりを心がけましょう。
同じPAさんとその後もやりとりがあるはずです。一度スムーズにできれば次回もやりやすくなります。その時だけではなく続く仕事と考えましょう。
この場合、接続するコネクタはXLRコネクタで問題ないと思いますが、フォーンコネクタも準備しておくと安心です。
② 設備の機器からぬきとる
PAさんがいなくて、現場の設備を使って行われる場合で、
どうしてもLINEの音が欲しい!
という状況でこの、設備の機器からぬきとるという作業か発生します。
多い例としては、教室や多目的室などで行われる、講義、セミナー、イベントなどがあります。
この作業は事前の
- 下見
- 音チェック
が必要です。
また、常設機材はいろいろな種類があります。なので、接続するコネクタもいろいろ用意しておきましょう。
XLR
フォーン
RCAピン
ステレオミニ
以上の種類があれば安心です。
また、施設によっては背面パネルをドライバーで開けて接続。という場合もあるので、工具があると便利です。
まとめ
- 「LINEもらい」とは会場の音声をいただくこと
- 基本的には会場に出ている音をそのままもらいことが多いが、必要に応じて「頭分け」というもらい方がある
- 頭分けのメリットは、目的ににあわせたバランスで収録できる
- 頭分けのデメリットは、入力が増え、オペレートが複雑になる
- PAさんとのやりとりは大切。事前にしっかりと打ち合わせができなくても、最低限「当日LINEをいただきたいです!」は伝えておく
- PAさんがいなくて、設備の機器からぬきとる場合は、事前の下見と音チェックが必要
その他、このLINEをもらうという作業には、現場ごとに様々な問題が起こります。
常設機器からぬきとっている状況ならいくらでも調整できますが、PAさんとの兼ね合いではそうはいきません。
お願いしている状況で自分の仕事が最優先では、誰も協力してくれませんよね。
PAさんとのやりとりは必ずその後も続きます。丁寧に。良好な関係を築いておきましょう。
今回はここまで!
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