こんにちは!
つくしです
今聞いているこの音。
どれくらいのレベルで録音したらいいの?
メーターって、これくらいの振りでいいのかな?
と考えたことがあると思います。
かけだし音声さんなら必ずありますよね。
ということで今回は、
録音レベル、メーターの振らせ方の目安。です。
実際現場で録音する場合は、ミキサーのVUメーターを確認しながら録りますよね。
なので、主にVUメーターの値を基準に説明していきます。
音の種類別VUメーターの振らせ方
結論からいってしまうと、その音が何かによって振らせ方は様々。
なので、この音はこれくらい。という大体の目安で覚えておきましょう。
ナレーションやコメントなど
-5VU以上で、レベルにより時々0VUをこえるようにVUメーターを振らせましょう。
ナレーションのような原稿を読む場合は、比較的簡単にこのレベルをキープすることができるでしょう。
ポイントは、最低音が-5VUという点。ここは必ずクリアしましょう。
ドラマなどのセリフの場合は
-5VU〜3VUの間で収録しましょう。
小さいセリフでもできるだけ-5VU、大きなセリフは3VUまでに。という感じです。
小さいセリフの「できるだけ」とは、周りのノイズや、音源との距離、もちろんセリフの小ささの兼ね合いで、もち上げたくてももち上げられない状況もあるからです。
つくしが教わった頃は、
「お昼のドラマ(13:00〜)は、見る環境がうるさいからダイナミックレンジをせまく」
「夜のドラマ(19:00〜)は、静かだからダイナミックレンジをひろく」
ということがいわれていました。
なるほどな。とは思いますが、このことを気にして録ったことはありません(笑)。現場で完成品をつくるわけではありませんよね。
しかし、完成形を考えて(理解して)録る。ということは大切です。
その中でも、
BGMバックなのか?
使う音なのか?
使わない音なのか?
これらの確認、判断は特に重要です。
基本的にはすべてシーンを完璧に録ることを目指しますが、現場は録音スタジオではありませんし、人が動き、人がする作業です。テスト通りにいかないことだらけです。
この場合に OK / NG の判断が的確にできることが、完成形を理解して録る。ということです。
妥協するということではなく、使いもしない音にこだわることは、結果他のシーンの時間を少なくしてしまいます。
この判断は、作品全体を考えて良い判断ではありませんよね。
そしてこの判断は、技術部隊の撮影部や照明部にはない判断なんです。
映像は撮ったら使いますが、音声をしっかり録っても映像だけ使う。というこはよくあります(涙)。
なので、「使わないからOK!」という判断も必要なのです。ただし、しっかり確認しましょうね。
ダイナミックレンジとは、いちばん小さい音と、いちばん大きい音との幅を指します。
「クラシック音楽はダイナミックレンジがひろい」
というように「ひろい」「せまい」で表わされます。
音楽の場合
音楽については様々な収録方法がありますね。
その中でも、ガンマイク1本。または、ステレオマイク1本。というENGのコンパクトな機材環境を元に、いちばん簡単で基本的なレベルの録り方を説明します。
それは、
大きな音の時に、割れないようしておく。という方法です。
音楽の場合は、コメント、セリフと違い、基本的にそのままのダイナミックレンジで収録したいものです。
しかし、
音楽はダイナミックレンジがとても広いため、特にクラシックの場合は、小さい音の時は聞こえない。大きい音の時は割れる。
という状況になってしまいます。
なので、小さい音の時はもち上げ、大きい音の時はおさえる。という作業が必要になります。
具体的には、いちばん大きな音を割れないように設定しておき、小さい音を持ち上げる。ということです。
リハーサルにて、チャンネルフェーダーは基準の位置で、ヘッドアンプをちょうど割れない位置に設定しましょう。
この設定で、チャンネルフェーダーをもち上げることで、小さい音の時に録れればOKです。
リハーサルをしっかり聞いて設定することがポイントです。
VUメーターの振り方と聞こえ方
ここまで録音レベルについて説明してきましたが、最後に、メーターが指す値と聞こえ方について。
現場から帰ってきたら、音チェックしてますか?
収録してきたら、可能な限りスピーカで聞くようにしましょう。できればモニター(テレビ)のスピーカがベストです。
この時大切なこなとは、モニターレベルの設定です。
感覚的なものなのでこの設定方法は、人それぞれ。
新人のころ、よく言われた方法は、
「1kHzで0VUがちょっと耳にささるくらい」
(わかりづらい)
ちなみにつくしは、これを改良したもう少しわかりやすい表現で、
「目と目の間に響くレベル」です。
どうですか?わかりやすくないですか?
このモニターレベルに関して、ヘッドホンについて書いた記事があります。参考にしてください。
どんな方法でもいいのですが、重要なのは、
毎回同じレベルに設定する
チェック中はレベルを変えない
ということです。
訓練ですね^^
このように、モニターレベルを設定したら早速チェックしてみましょう。
ここまで説明してきた、-5VUというレベル。この意味がわかると思います。
メインで聞かせるコメントなどは、この-5VUを境に、下回ると聞きづらくなります。
ましてや、「少し小さいけどヘッドホンではしっかり聞こえる!」という-10VUぐらいの音は、スピーカでは極端に聞こえづらくなります。
収録チェックしている環境はそんなに悪くはありません。聞くための環境と言えます。
しかし、視聴者はそうではありませんね。なので、聞こえるレベルの維持はとても重要なのです。
あれ?!でも、
現場で完成品をつくるわけじゃないって言ってたよね?
ですよね。
そうなんですが……
いい音は悪くできるけど、悪い音は良くならない。
ということを覚えておきましょう。
それなりの時間をかければ、それなりの音にはなります。
しかし、仕事は納期があります。使える時間は限られていますね。
現場でこの時間を限りなくゼロにできたら……
いい作品にするために必要な後処理の時間が増えますよね^^
その現場でベストな音をとることは当たり前です。完成品や、後処理まで考えてレベルを管理しましょう。
あとがき
補足として、
自信がある言葉は大きい
自信がない言葉は小さい
ブレスの後の言葉は大きい
ブレスの前の言葉は小さい
身振り手振りの大きい言葉は大きい
身振り手振りの小さい言葉は小さい
ということが言えます。
レベルを管理することは、慣れです。訓練です。必ずできるようになります。
しかし、
レベルオペレートに自信がない。という場合は、コンプレッサー、リミッターがあります。
使えるものは使いましょう。いや、使ってください。
でもです。
コンプレッサーやリミッターをかけない状態で、
- どうメータが振れるか
- とれだけオペレートしなければならないか
ということも、様々な音源で必ず訓練しておきましょう。
録音レベルの理想は、入り口(マイク)から出口(録音媒体)まで各機器において、小さ過ぎず、大き過ぎないレベルで通過させることです。
コンプレッサーやリミッターをかけてちょうといいということは、そこのレベルがオーバーしている。ということです。
そのことを理解して意図的に使えるようになるために、コンプレッサーやリミッターをかけない状態で訓練しましょう。
録音レベルが安定し、しっかり管理することのできる音声さんは、各セクションから信頼されます。指名されます。
録音レベル。重要ですよ。
今回はここまで!
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