不純物を取り除いたものが精製水というものなのですが、コンタクトレンズの洗浄など医療用に使われるもの、または工業用に使われるものなどがあります。
精製水について調べてみると、他にも純水だとかミネラルウォーターだとか水の種類がいくつかあることに気づきました。
そこで今回は、
などについて調べてみました。
さっそく見ていきましょう。
目次
まずは精製水とは何か?を確認しておきましょう
まずは精製水とはどんな水なのかを確認しておきましょう。
精製水とは、蒸留やろ過やイオン交換などの手法で濃度を上げた、比較的純粋な水である。無色透明・無味無臭で、場合によっては紫外線などで滅菌または殺菌されている。
精製水というのはウィキペディアによるとこのように定義されています。
つまり蒸留やろ過などの方法で、
水道水から不純物を取り除き純度を高めた水
ということです。
精製水は主に、医療や美容、塗料の希釈、バッテリーなどに使われています。
コンタクトレンズの保存液や化粧品の製造などと言えばわかりやすいかもしれませんね。
工業用としては溶解や希釈、バッテリー用、二輪車や自動車の洗車用などに使われています。
純水と精製水の違いとは?
精製水と似たような水に「純水」というものがあります。
さらには「超純水」という水もあるのです。
まずは、この「純水」と「精製水」についてみていきましょう。
純水とは
純水というのは、文字通り「不純物を含まない水」のことです。
不純物っていうと、何?って感じもするのですが、私達が普通に接する水、つまり水道水を見てみましょう。
水道水には、塩素、カルシウム、マグネシウムなどの成分も含まれています。
これらがいわゆる「不純物」と呼ばれるものです。
純水は水道水からこうした不純物のうち、主にイオン類や有機物を取り除いた水のことを言います。
身近なところで、こんな水がありますよ。
- イオン交換水
イオン交換樹脂と呼ばれるろ過材に水を通してイオン成分(カルシウム、マグネシウムなど)を取り除いてできる純水 - 蒸留水
水を蒸留させて不純物を取り除いてできた水 - RO水
逆浸透膜の一つであるRO膜でろ過した水
ウォーターサーバーの水としてよく使われる
こうした純水は不純物が少ないので雑味が少ないという特徴があり、ウォーターサーバーの水の他にも、市販の清涼飲料水や炭酸飲料、コーヒーやお茶などの原料にもなっています。
超純水
一方、超純水というのは、純水よりもさらに高度な技術を用いて、高い水準で不純物を取り除いた水のことです。
超純水は「高度精製水」と呼ばれることもあります。
複数の処理方法を組み合わせて、微粒子、有機物、生菌、水にとけているガスなどを徹底して取り除くのです。
このような超純水は主に、
- 電子工業
- 原子力産業
- 製薬事業
などの分野で使われています。
半導体や液晶などの電子デバイスにはほんの少しの異物も入ってはならないので、このような超純水が使われるのですね。
純水と精製水の違い
では、純水と精製水は何が違うのでしょうか?
純水も精製水も、純度の高い水、
つまり、
水道水から不純物を取り除いたものなので、ほぼ同じものと言えます。
ほぼ同じものだけど、どう使い分けるのか?
という疑問が残りますね。
純水は、
不純物を含まないことに焦点を当てた言葉で、塩素やカルシウムなどの不純物が取り除かれているということを強調しています。
精製水は、
精誠されたという点に焦点を当てた言葉で、日本薬局方に定められたものを指す場合もあります。
精製水と浄水器の違い
次に精製水と浄水器の水は何が違うのでしょうか?
浄水器も水をキレイにしてくれるものに違いないのですが、精製水とはまた違うんですよね。
浄水器の水とは
浄水器の水は、
水道水をろ過してキレイにするものと言えます。
では、浄水器はどうやって水をきれいにしているのでしょうか?
水道水が浄水器を通過するときに、ろ材と呼ばれるもの、つまり活性炭やイオン交換体などを通過します。
これによってろ過されるんですね。
大きな有害物質から取り除かれます。
そうしてきれいな水だけが出てくるという仕組みになっているのです。
日本の水道水は水道法という法律によっても定められているように処理されています。
そのまま飲んでも体に害はありません。
しかし、消毒のために使われる塩素や除去しきれなかった不純物が残っている場合があるので、それらを除去してよりおいしく安全な水にしてくれるのが浄水器の役割なのですね。
浄水器は、
残留塩素や臭いのもとになるカビ臭やサビ臭も取り除くことができる一方で、ミネラルは残しているのでおいしく飲むことができるのです。
精製水と浄水器の水の違い
では精製水と浄水器の水との違いは何でしょうか?
一番の違いは、
- 精製水は飲めない
- 浄水器の水は飲める
という違いになるでしょう。
精製水は、
ミネラルなどもすべて除去したものを指すので、一言で言えばおいしくありません^^;
もちろん精製水も水なので、まったく飲めないということはないのですが、長期的に見た場合、健康面でデメリットが生じる可能性があるため、飲用としてはおすすめできないということなのです。
飲まない方が良い理由を3つご紹介します。
【精製水を飲まない方が良い理由1】
精製水が体の大事な栄養素を溶かしてしまう可能性があるため
水は「物を溶かす」という性質をもっています。
純度が高くなればなるほど、水本来の性質が強くなり、純度の高い精製水は体内に入ることで、体に必要なミネラルなどの栄養分を溶かして体外に排出してしまう可能性があります。
なので、長期的に精製水を飲むというのは、体に必要な栄養素を十分に吸収できないこともあるので、飲まない方が良いということなんですね。
【精製水を飲まない方が良い理由2】
精製水はおいしくない
精製水は不純物を取り除いているので、水をおいしくしているミネラルも一緒に取り除かれているものです。
水をおいしくするのは、カリウム、カルシウム、シリカといった成分なのですが、それらが取り除かれると水のおいしさがなくなり、飲んでもおいしくないっていうことになりますね。
また、ミネラルも含まれていないので、精製水を飲んでもミネラルの摂取ができません。
【精製水を飲まない方が良い理由3】
精製水に不純物が混ざる可能性がある
精製水には消毒剤が入っていません。
開封後に不純物が混ざる可能性もあり、そうなると雑菌が繁殖して、お腹を壊す原因ともなります。
開封後すぐに飲む分には問題がないかもしれませんが、開封後時間が経ったものは飲用にはおすすめできません。
浄水器の水をおいしく飲むには?
浄水器の水をおいしく飲むには、浄水器の取り扱いも注意が必要です。
カートリッジを周期的に交換
浄水器を使ってる方はすでに実践されていると思いますが、カートリッジは不純物を除去するためのフィルターが入っています。
これに不純物がたまってくると目詰まりを起こし、十分に不純物を取り除くことができなくなり、浄水の意味がなくなるので、定期的に交換が必要です。
浄水器の水は早く使い切る
浄水器を通した水は美味しく飲めるのですが、当日中、もしくは2,3日中には飲み切るようにしましょう。
浄水器を通して塩素を除去しているので、浄水器の水には殺菌作用がありません。
なので、雑菌が繁殖しやすくなっています。
常温なら当日中、冷蔵庫で保管している場合でも2~3日中に飲み切るのことをおすすめします。
浄水器をこまめに掃除する
浄水器はこまめに掃除してきれいを保つことが大切です。
特に水が出てくる吐出口のあたりは水がたまりやすく、雑菌も繁殖しやすくなっていますので、こまめに洗うようにしましょう。
精製水と水道水の違い
今度は精製水と水道水の違いについてみていきましょう。
まずは水道水について。
水道水は毎日使っているものではありますが、どんなもの?と聞かれてもよくわからないのが本当のところですよね。
水道水とは
水道水の水はどこから来るのでしょうか?
河川や湖などから浄水場に水が入り、浄水場でその水が浄化・消毒されて、上水道に供給されるようになります。
このようにして各家庭の水道水となっていくのですが、この水道水にはどんな成分が含まれているのでしょうか?
【水道水に含まれる成分】
- 塩素
- 鉛
- トリハロメタン
- アルミニウム
- ミネラル
(カルシウム・ナトリウム・マグネシウム・カリウムなど)
こうした成分が水道水には含まれています。
中でも塩素やトリハロメタンといった成分は浄水場で浄化・消毒する際に必ず含まれる成分です。
各家庭に安全な水を供給するために塩素を使って消毒し、水道水1リットルあたりに塩素が0.1㎎以上残るように国で定められているので、欠かせない成分だとも言えますね。
精製水と水道水の違い
水道水から上に上げたような成分、不純物を取り除いたものが精製水となります。
成分から見ると全く違ってきますね。
また逆に言えば、水道水から精製水を作ることができます。
蒸留やろ過などの処理をすることで、精製水になるのです。
こうした違いがあることで、用途も違ってきますね。
水道水は飲用や生活用水として使われますが、スチーム加湿器などの補給羊水や洗浄などの工業用水、薬品を作る時に用いられる水といった場合には、水道水は不純物があるゆえに向いていないので、こうした場面には精製水が使われるというわけです。
精製水とミネラルウォーターの違い
今度は精製水とミネラルウォーターの違いについてみていきましょう。
ミネラルウォーターとは
では、ミネラルウォーターってよく耳にしますが、どんな水なのでしょうか?
ミネラルウォーター、あるいは鉱泉水とは、容器入り飲料水のうち、地下水を原水とするものを言う
と、ウィキペディアでは定義されています。
そしてミネラルウォーターは食品衛生法によって「水のみを原料とする清涼飲料水」と定義されたミネラルウォーター類の一種でもあります。
ミネラルウォーターの種類
このミネラルウォーターは次の4つに分類されています。
ナチュラルウォーター:特定の水源から採水された地下水を原水とし、沈殿、ろ過、加熱殺菌以外の物理的・科学的処理が施されていない水。ミネラル成分が含まれていない場合もある
- ナチュラルミネラルウォーター
ナチュラルウォーターのうち、ミネラル成分が溶け込んでいるもの。ミネラル成分は地中の鉱物など自然由来のものに限られています。「天然水」と呼ばれているのがこれですね - ミネラルウォーター
天然水のミネラル成分を人工的に調整した水。または数種類のナチュラルミネラルウォーターを混合したもの - ボトルドウォーター
蒸留水・河川の表層水など、上記の水以外で飲むことができる水の総称。例えば、「東京水」などというように水道水でも飲用として市販されたものもボトルドウォーターになります
ミネラルウォーターの原水
ミネラルウォーターの原水となるものには主に7種類あります。
こちらもみておきましょう。
- 浅井戸水
浅井戸からポンプで引き上げた地下水です
ここで、浅井戸というのは、およそ地下20メートル地点までに存在する、岩盤のような水を通さない層までの長さに掘られた井戸のことです - 深井戸
浅井戸に対して、深井戸は通常30mより深く掘ってある井戸です。
浅い不透水層と、それより深いところにある不透水層に挟まれた地下水をくみ上げて使います - 湧水(ゆうすい)
自然に地上に湧き出てきた水のことです
人工的に掘ったりもせず、ポンプで引き上げたりもせずに、自然に湧き出てくる水のことです - 鉱泉水
湧水のうち、ミネラル成分や炭酸ガスが溶け込んでいて、水温が25度未満の水 - 温泉水
湧水のうちミネラル成分や炭酸ガスが溶け込んでいて、水温が25度以上の水 - 伏流水
河川の流水が地面の下へ浸透して流れてできる、浅い地下水
地中で自然にろ過されるので、水質が良く、安定していると言われている - 鉱水
ポンプなどでくみ上げた地下水のおうち、溶け込んでいる鉱物質などによって特徴づけられるもの
硬水と軟水
さらにミネラルウォーターには硬水と軟水があります。
これは水の硬度の違いです。
硬水はカルシウムやマグネシウムを多く含み、硬度が1リットルあたり120㎎以上と高くなります。
飲みごたえがあるのが特長です。
軟水は硬度が1リットルあたり120㎎未満のもの。
カルシウムやマグネシウムが少ないので口当たりがよく飲みやすいと言われています。
実は水道水も硬水と軟水に分かれるのですが、日本国内の水道水はほとんどが軟水です。
精製水とミネラルウォーターの違い
精製水とミネラルウォーターの大きな違いは、「ミネラル」ですよね。
精製水はミネラル成分もすべて除去したものですが、ミネラルウォーターは自然のミネラルを含んだものであったり、人工的にミネラルを調整しているものもありますね。
もちろん、精製水は飲み水としてはあまり向いていない反面、ミネラルウォーターはおいしく飲める飲み水です。
そうした点も違いますね。
精製水の代用品ってある?
例えば手作りの化粧品などを作る時に、精製水が必要だということもありますね。
でも、買い置きの精製水がない!
買いに行くのもなかなか難しい。
そんな時に代用できるものってあるのでしょうか?
今まで見てきたように、水道水や浄水器の水、ミネラルウォーターなどは精製水とは違うものであり、代わりに使うというわけにはいきませんよね。
精製水の代用になるもの、紹介してみましょう。
硬度0の水
ミネラルウォーターの中には硬度が0というものもあります。
まったくの0でなくても、硬度0.2とか0.6などという硬度の低いもの、硬度が30~40くらいまでの軟水を精製水の代わりに使うことができます。
ミネラルウォーターの中には硬水もありますが、硬水の場合は精製水とは全く逆の性質をもった水なので、精製水の代用にはできません。
軟水でも硬度が高めのものだと代わりに使うにはちょっと不向きだということですね。
あくまで、硬度の低いもの、0に近いものを選んでみると良いようです。
例えばこちら。
このアイザーピュアウォーターは超軟水で、逆浸透膜ろ過システムによって不純物が除去された純度99%の水です。
ということは、「純水」とも言えますね。
先にも見てきたように、精製水と純水はほぼ同じものと言えるので、純水を精製水の代わりに使うのはOKですね。
こちらは飲み水としても使えますし、精製水の代わりに化粧水を作る時に使うこともできますよ。
スーパーでもらえるRO水・純水
近所のスーパーに行くと、ボトルを購入すれば、無料でRO水や純水が手に入ることがあります。
お近くのスーパーで確認してみてはいかがでしょうか?
ウォーターサーバーのRO水・純水
自宅でウォーターサーバーを使ってる方には、RO水や純水、ミネラルウォーターなど水の種類を選べることもあります。
メーカーによっても違いがあるので確認が必要ですが、RO水は比較的安価なので一度問い合わせてみると良いでしょう。
ROろ過浄水器を使う
最近ではRO膜を内蔵した浄水器もあります。
つなぐくとでボトル交換の必要がないので人気を集めていますよ。
こうした浄水器を使った水も精製水の代わりに利用できます。
ちなみにこちら↓
水道直結式のウォーターサーバーはメリットが沢山【ウォータースタンド】このウォータースタンドは、(私が使っているものです)キッチンに置けて水道水を使うタイプ。とっても便利です。
ぜひチェックしてみてください^^
まとめ
精製水は水道水の不純物を除去した水です。
純水もほぼ同じような水になります。
水の成分そのものだけという感じですね。
水道水やミネラルウォーター、また浄水器の水とは明らかに成分が違っているということもわかりました。
使う目的に合わせて、精製水が良いのか、水道水やミネラルウォーターが良いのか選んでみると良いでしょう。
精製水の代用になる水も参考にしてください。
今回はここまで!
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