こんにちは!
つくしです
今回は、撮影技術の新人さんを教えるための、マニュアルやチェックシートをつくるためのポイントです。
ちなみに前に書いた、
「撮影技術の新人さんの教え方(育て方)実践記。育成、研修で指示待ち人間に育てないことがコツ」の関連記事になります。
こちらを先に読むと理解しやすいと思うので興味のある方は読んでみてください。
この記事でも説明したように、育成は、
どう教えるかと考える前に、教えることをしっかり把握することが大切で、そこからスタートです。
そのためにマニュアルをつくることはとても有効です。
またそれとセットで、技術のような曖昧な進捗を可視化するために、チェックシートをつくっておくことも有効。でしたね。
というわけで、マニュアルやチェックシートをつくるためのポイントについて。
目次
新人育成準備①
【目標設定】
一つ一つのゴールを近く設定し単純化する
まず始めに、目標を決めます。
これを決めなければ始まりませんね。
・中継のメイン音声
・ドラマの音声チーフ
・カメラマン
などなど。
撮影技術でよく聞く目標ですよね。
でも、
これだとあまりにもゴールが遠すぎて、目標達成までに習得しなければならないことだらけになってしまいます。
何よりこのマニュアル、
書くのも読むのも大変じゃないですか?
しかも遠すぎる目標の悪い例として、途中でアシスタントのプロフェッショナルという立ち位置で居心地良くなり、努力をやめてしまう。
という残念なことが撮影技術では少なくはありません。
なかなか達成できない目標って、つらいですよね。
なので、目標設定のポイントは、
「一つ一つのゴールを近く設定して、単純化する」なんです。
例えば、
「ワイヤレスの使い方をマスターする」だとどうですか?
マニュアル書きやすくないですか?サラサラ書けそうですよね^^
読む方も「ゴール近いな」「できそうだな」「頑張ろう」
と思うはずです。
新人育成準備②
【構成】
ゴールから組み立てる
それでは次に、目標設定からどうやってマニュアルを構成するかについて。
その方法は、
最終的にこう
→だからその前はこう
→だからここから始める
という具合にゴールから組み立てていきます。
ゴールに向かって組み立てていくと、途中で分かれ道が多くなりやすく、複雑になってしまいがちです。
その点ゴールから組み立てる方法は、一本道にしやすいので、シンプルでわかりやすいマニュアルをつくるためにはとても有効なんです。
また、順序を確認することができるので、教え方のイメージも明確になってきますね。
新人育成準備③
【注意点 1】
教わる側の立場で書く
技術に関するマニュアルを初めて書くと、まず間違いなく専門用語だらけの難しい文章になってしまいます。
しかも、指摘されなければわからない。というたちの悪いものなんです。
この記事を読んでからなら注意するとと思いますが、それでも難しい文章に仕上がるはずです(つくしもそうでした)。
なぜか?
それは、そのことを全く知らない人のために書いていないからです。
言い換えると、自分の立場で書いているからです。
仕事で使っている専門用語って、以外と多いんです。ましてや技術職ならなおさらです。
なので、
「この単語のこの文章、全く知らない人が読んで理解できるか?」
を常に意識しましょう。
新人育成準備④
【注意点 2】
備考や応用編はいらない
未経験者に初めてのことを理解してもらう場合、基本をシンプルに教えることが重要だということはわかりますよね。
でも、
大抵の人は、その他多くの「備考」や「応用編」を教えたがります。
これが、知識の混乱を招きます。
確かに実践で必要になる知識かもしれません。
しかし、未経験者にしてみれば、基本中の基本すら理解していないのに、その先の応用をどんどん進められては、
今現在覚えなければならない、基本中の基本を理解することができません。
「あのー、最初にもどって教えてもらえますか?」とは言いづらい場合もあるでしょう。
応用編に直面した時。そのことを「調べなきゃ!」と実感した時。
遅かれ早かれ覚えなければならない知識なら、その問題に直面した時に自分から勉強したほうが、理解度が深いのではないでしょうか?
応用編は、現場から自主的に学ぶようになります。
ぼやーっと教えられた「他人事」は、必要にせまられた「自分事」には知識の理解度で到底かないません。
なので撮影技術の新人に渡すマニュアルは、備考や応用が多ければ多いほど使いづらいものになってしまいます。
伝えなければはらない項目をシンプルに。この点を徹底しましょう。
新人育成準備⑤
【進捗確認】
チェックシートをつくる
技術の育成状況はわかりにくいものです。
常に同じ人が同じ人を教えていれば把握することはできるかもしれませんが、なかなかそいういわけにはいかないものです。
いろんな先輩が育てていく。という環境が現実です。
この時に、今これくらい習得していて、あとこれとこれができるようになれば一人立ち。
という進捗状況が可視化できていれば便利ですよね。
そして教える側の人間で、そのシートを共有できていればとても便利です。
もう大丈夫!という説得材料にもなります。
つくりかたは簡単です。
マニュアルをつくる場合、必ず「見出し」をつけますよね。これをそのままチェック項目にすればいいのです。
あとはそれらをどれだけ習得しているか?がわかればいいわけです。
例えば、
その日の終了後に、ABCDで評価をします。
D→説明済み
C→実践初期
B→実践後期
A→習得済み
という具合です。
この例だとCやDが若干曖昧ですが、何も記録つけてないよりは数倍状況がわかります。
研修開始から何日経過したか?何回実施したか?研修と研修の期間はどれだけ空いてしまったか?
一目瞭然ですね。
これが進捗状況の可視化です。効率よく育成しましょう。
新人育成準備⑥
【共通認識】
事前にコース紹介をする
以上の準備をして育成をスタートします。
そして準備後、必ずコース紹介をしてます。
これは、研修を始める数日前にしておくといいでしょう。
なにも時間を押さえてみっちりではなく、「このことを、こういう順序でできるようになってもらうから」の程度でいいでしょう。
この時にマニュアルを渡します。
こうすることで、当日までに自発的な予習をさせることができます。
初日からスムーズなスタートが切れますし、予習の質問など、内容も濃くなります。
マニュアルを書くメリット
今回のポイントをまとめると、
①目標設定
一つ一つのゴールを近く設定し、単純化する
②構成
ゴールから組み立てる
③注意点1
教わる側の立場で書く
④注意点2
備考や応用編はいらない
⑤進捗確認
チェックシートをつくる
⑥共通認識
事前にコース紹介をする
です。
難しく考えず、まずは書いてみましょう!
そして、周りの人に読んでもらいましょう!
大丈夫です。無茶苦茶訂正されますから(涙)。
当然のことですが、目的はマニュアルをつくることではありませんよね。
むしろ教えるための準備。こちらのウエイトが高かったりします。
そして、育成は、教わる側の自発的な努力をさせることが大切でしたね。
細かい指示や指摘が多すぎると自発的からは程遠い、指示待ち人間に育ってしまいます。
でも、いくら最初に基本的なことを教えたからといっても忘れるものです。
この時に自信を失わせない、努力につながる対応ができればいいのですが、教える側も人間です。感情的になってしまうこともあるでしょう。
そんな時に「マニュアルを読み返す」という自発的な選択肢があれば。100点です。
読んで理解できなかったとしても、そのことについて他で調べることになります。関連した知識を得ることにもなり、後日の質問も的確になります。
また、そのことをマニュアルに追記することでマニュアルの精度も上がりますね。
このように、マニュアルを書く。ということは、結構メリットがあるんです。
あとがき
よく最後に育成担当者から、
「覚える気がないからダメだった」などと聞きます。
はたして本当にそうでしょうか?
最初はその道を志して、「よし、やるぞ!」と覚える気まんまんでくるのではないでしょうか?
そしてそれが、いつしか「覚える気がない」と言われてしまうのです。
もちろんその原因はいろいろあると思いますが、その中に「教え方」は入っていないのでしょうか?
教えることをちゃんと把握しないままスタートして、行き当たりばったり。
結果、本人の努力頼みの育成で「一人前に育てることができなかった」。
という状況をたくさん見てきました。
確かに教わる側の「やる気」は一番と言っていいぐらい大切です。
でもその大切な「やる気」は、最初必ずあって途中で何らかの理由でなくなる。ということです。
なので、
「覚える気がない」という判断の原因が、教える側の準備不足。ということに決してならないように。
軌道修正もしながら、「他人事」の目標を「自分事」の目標として臨んでください。
今回はここまで!
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