お隣の家が建て替えで解体工事をしているとか、近所で家を建てているなどといったように日常で騒音に悩まされることもありますね。
あまりにうるさいからどこかに訴えたい!
という思いになる人もいるかと思うのですが、法律で認められている部分もあるのでなんでも訴えればいいというものじゃあなさそうです…
人々の安全な生活を守るために「騒音規制法」という法律も定められているのですが、その法律が適応される時間帯や基準レベルについても気になるところです。
そこで今回は、
そんな内容について調べてみました。
騒音に悩んでいる人のお役に立てれたらと思います。
目次
騒音規制法とは?
そもそも「騒音規制法」って何でしょう?
というところから見ていきましょう。
騒音規定法はその第一章第一条を見ると、
この法律は、工場および事業場における事業活動並びに建設工事に伴って発生する相当範囲にわたる騒音について必要な規制を行うとともに、自動車騒音に係る許容限度を定めること等により、生活環境を保全し、国民の健康の保護に資することを目的とする
と書いてあります。
そしてこの騒音規制法はさらに、
- 工場・事業場騒音の規制
- 建設作業騒音の規制
- 自動車騒音の規制
- 深夜騒音等の規制
という風に分けることができます。
つまりこの法律は、
- 工場や事業場の騒音
- 建設現場の騒音
- 自動車の騒音
- 深夜騒音等の騒音
について規制しているということなのです。
騒音規制法が適応される時間帯と基準レベルとは?
それではこの騒音規制法が適応される【時間帯】【基準レベル】はどうなっているのでしょうか?
騒音のレベルはデシベル(dB)という単位を使って表します。
デシベルで表示されていると、どのくらいの騒音なのかがピンときませんよね。
目安としては以下のような感じです。
騒音の大きさ | 具体例 | 聴覚的目安 |
40デシベル | 閑静な住宅地の昼間、図書館の中 | 静か |
50デシベル | 家庭用エアコンの室外機、静かな事務所の中 | 適度と感じる環境 |
60デシベル | 走行中の自動車内、普通の会話、デパートの店内 | 周りの音が気になる環境 |
70デシベル | 高速走行中の自動車内、賑やかな店内 | うるさいと感じる環境 |
80デシベル | 走行中の電車内、パチンコ店内 | うるさいと常に感じる環境 |
90デシベル | カラオケの音、すぐそばの犬の鳴き声 | かなりうるさい |
100デシベル | 電車が通る時のガード下、地下鉄の構内 | その他音が聞こえない環境 |
この【デシベル】についてのわかりやすい記事はこちら↓
それぞれ状況別に見ていきましょう。
工場・事業場騒音の規制
これは特定工場等において発生する騒音の規制のことです。
機械プレスや送風機などといった工場や事業場などで著しい騒音を発生する施設などが対象になります。
騒音規制法による規制区域区分ごとの騒音規制基準値
朝 | 昼 | 夕方 | 夜間 | |
午前6時 〜午前8時 |
午前8時 ~午後6時 |
午後6時 ~午後10時 |
午後10時 ~翌日午前6時 |
|
第1種区域 | 45dB | 50dB | 45dB | 40dB |
第2種区域 | 50dB | 55dB | 50dB | 45dB |
第3種区域 | 60dB | 65dB | 65dB | 55dB |
第4種区域 | 65dB | 70dB | 70dB | 60dB |
【第1種区域】
良好な住居の環境を保全するため、特に静穏の保持を必要とする区域
【第2種区域】
住居の用に供されているため、静穏の保持を必要とする区域
【第3種区域】
住居の用に併せて商業、工業等の用に供されている区域であり、その区域内の住民の生活環境を保全するため、騒音の発生を防止する必要がある区域
【第4種区域】
主として工業等の用に供されている区域であり、その区域内の住民の生活環境を悪化させないため、著しい騒音の発生を防止する必要がある区域
と、少々難しい言い回しもありますが、私たちの生活の静穏を保護するための法律ということですね。
騒音の度合いを見ると、一般住宅地のようなところでは40から60くらいまでに規制されているので、比較的静かに過ごせるということですね。
建設作業騒音の規制
特定建設作業に伴って発生する騒音の規制です。
建設現場ではくい打機など著しい騒音を発生する作業があり、そうしたものを規制しています。
特定建設作業に伴って発生する騒音の規制に関する基準
区域 | 基準値 | 作業禁止時間帯 | 最大作業時間 | 最大連続作業日数 | 作業を行わない日 |
第1号に掲げる区域 | 85dB | 午後7時 ~午前7時 |
10時間を超えないこと | 連続6日を超えないこと | 日曜日その他休日 |
第2号に掲げる区域 | 85dB | 午後10時 ~午前6時 |
4時間を超えないこと | 連続6日を超えないこと | 日曜日その他休日 |
【第1号に掲げる区域】
静穏を必要とする区域及び学校、病院等の周囲約80mの区域等
【第2号に掲げる区域】
生活環境を保全すべき地域のうち、1号区域以外の区域
私達が特にうるさいと感じるのが、建設現場の騒音とも言えますよね。
作業できる時間は、
1号区域では午前7時~午後7時まで
2号区域では午前6時から午後10時まで
ということになりますね。
しかし、1日に10時間、もしくは14時間以上作業をしてはいけませんし、休日にも休まなければならないという規定があります。
また建設現場では、労働基準法に合わせて、午前8時~午後5時までといったふうに作業時間を定めている業者もあるようです。
この作業時間に関しては、各業者や自治体の判断で決めることができます。
自動車騒音の規制
道路を走る自動車も時には「騒音」となってしまうこともあります。
そこで、自動車単体から発生する騒音に対して、自動車が一定の条件で運行する場合に発生する自動車騒音の大きさの限度値を環境大臣が定めているのです。
都道府県知事等が定める指定地域内において、測定の結果、自動車騒音がその限度値を超えることで、周辺の生活環境が損なわれているという場合に、市町村長が措置を要請することができます。
昼間(午前6時~午後10時) | 夜間(午後10時~午後6時) | |||
第1区域 | a区域 | 1車線 | 65dB | 55dB |
b区域 | 1車線 | 65dB | 55dB | |
第2区域 | a区域 | 2車線以上 | 70dB | 65dB |
第3区域 | b区域 | 2車線以上 | 75dB | 70dB |
第3区域 | c区域 | - | 75dB | 70dB |
【a区域】
もっぱら住居の用に供される区域
【b区域】
取得して住居の用に供される区域
【c区域】
相当数の住居と併せて商業、工業などの用に供される区域
深夜騒音等の規制
深夜騒音と言えば、カラオケ等に代表される深夜営業の騒音に当たります。
深夜騒音の規制に関しては地方公共団体が、住民の生活環境保全の観点から、自然的、社会的条件に応じて必要な処置をすることになります。
東京都の場合
種別 | 該当区域 | 音源の存する敷地と隣地との境界線における音量 |
第1種区域 | 第1種低層住居専用地域 第2種低層住居専用地域 AA地域 前号に接する地先及び水面 |
40dB |
第2種区域 第3種区域 |
第1種中高層住居専用区域 第2種中高層住居専用区域 第1種住居地域 第2種住居地域 準住居地域 無指定地域 第1特別地域 |
45dB |
第2種区域 第3種区域 |
近隣商業地域(第1特別地域を除く) 商業地域(第1特別地域を除く) 準工業地域(第1特別地域を除く) 第2特別地域 前号に接する地先及び水面 |
50dB |
第4種区域 | 工業地域(第1第2特別地域を除く) 第3特別地域 前号に接する地先及び水面 |
55dB |
と言った風に定められています。
生活騒音はどうなるの?
ところで騒音規制法の時間帯や基準レベルについてみてきましたが、
「生活の中の騒音ってどうなるの?」
という疑問を持った方も多いのではないでしょうか?
私も調べていて、建設工事や工場などの騒音だけではなく、もっと身近にあるのは生活騒音じゃないかと思ったので、こちらも少し調べてみました。
生活騒音の場合は、各自治体で「環境確保条例」として基準が定められているようです。
東京都の場合を見てみましょう。
種別 | 該当区域 | 音源の存する敷地と隣地との境界線における音量 (6時 ~8時) |
音源の存する敷地と隣地との境界線における音量 (8時 ~19時) |
音源の存する敷地と隣地との境界線における音量 (19時 ~23時) |
音源の存する敷地と隣地との境界線における音量 (23時 ~6時) |
第1種区域 | 第1種低層住居専用地域 第2種低層住居専用地域 AA地域 前号に接する地先及び水面 |
40dB | 45dB | 40dB | 40dB |
第2種区域 第3種区域 |
第1種中高層住居専用区域 第2種中高層住居専用区域 第1種住居地域 第2種住居地域 準住居地域 無指定地域 第1特別地域 |
45dB | 50dB | 45dB | 45dB |
第2種区域 第3種区域 |
近隣商業地域(第1特別地域を除く) 商業地域(第1特別地域を除く) 準工業地域(第1特別地域を除く) 第2特別地域 前号に接する地先及び水面 |
55dB | 60dB | 55dB | 50dB |
第4種区域 | 工業地域(第1第2特別地域を除く) 第3特別地域 前号に接する地先及び水面 |
60dB | 70dB | 60dB | 55dB |
騒音を気にしない方法
騒音を規制して、静かな生活を保護してくれる法律があることはわかりますが、それでも小さな騒音でも気になる人は気になるものです。
自宅で一人でいると冷蔵庫の音が気になるとか、時計の音が気になると言う人もいますよね。
ましてや集合住宅の場合、隣の家の音や上の階の音などが気になるということもあります。
さらに、近くで工事などをしていれば、その音がものすごく気になってイライラしてしまうということもあるでしょう。
そんな騒音を気にしない方法ってあるのでしょうか?
「そんなのがあったらすぐにでも実行したい!」
と、私もそう思うタイプなので、さっそく調べてみました。
好きな音楽を流す
自分の部屋が静かだと外部からの音がよけい気になってしまうものです。
それで、なんらかの音を流すことで騒音に意識が集中しなくなるというわけなんですね。
だったら、普段から自分が気に入ってる音楽などを流してみてはいかがでしょうか。
好きな音楽なので集中して聴けますし、外部からの騒音が機にならなくなります。
忙しくする、何かに夢中になってみる
外部の騒音が気になるというのは、何もやることがなくて暇なときが多いものです。
それでその音にイライラしてしまうということもありますね。
そういう時には、じっと座ってイライラしているのではなく、思い切って体を動かしてみるとか好きなゲームに没頭してみるというのも一つの方法です。
イライラしているなと思ったら、そんなときはじっと座って読書なんてできないものですよね。
なので、アイロンがけをしてみたり、掃除をしてみたり、たまっていた家事を片付けたり、音楽に合わせて軽い運動をしてみたりということも有効かと思います。
家庭菜園の土いじりなんかも良い気分転換になるものです。
何かリラックスできること、夢中になれることを探してやってみるのも騒音を気にしない方法の一つになります。
外出する
家にいてイライラするくらいなら、外にでてしまいましょう。
私の体験談ではありますが、上の階でリモデリング工事が始まった時には、本当にうるさくて困りました。
そんな時は家にいても何もできないし、手につきません。
それで、外にでました。
パソコンを持ってカフェで仕事をするもよし、本を読むのも良いでしょう。
図書館などで静かに本を読んでみるのも良いですし、お天気がよければ散歩をして太陽の光を浴びているのも良いですね。
そうやって外に出て気分転換ができるので、外で多少音が聞こえたとしてもさほどのストレスにはならないと思います。
その騒音も少しポジティブに考えられるようになるかもしれません。
耳栓を利用する
音をシャットアウトするには「耳栓」も有効手段です。
好きな音楽を聴いても、他のことに集中しようとしてもできない、寒い中外出も難しいなんていうときには、最後の手段?として耳栓もありですね。
例えばこちらの耳栓。
日本人の耳にフィットするように作られており、長時間装着しても耳が痛くなりません。
周りの音をシャットアウトしてくれますし、睡眠や勉強、読書など集中したいときに利用すると良いですよね。
耳栓をすると耳が詰まるような不快感があってイヤだと言う人も、この耳栓なら不快感なく、通気性も良いので使いやすいかと思います。
ホワイトノイズを使う
ホワイトノイズってご存じですか?
海外では近隣の騒音対策に普通に使用されているようですが、日本ではあまり聞かない対策だと思います。
ホワイトノイズとは、
ホワイトノイズ (White noise)とは、ノイズの分類で、パワースペクトルにおいて広い範囲で同程度の強度となっているノイズを指す。「ホワイト」とは、可視領域の広い範囲をまんべんなく含んだ光が白色であることから来ている形容である。派生語のようなものにピンクノイズがあり、周波数成分が右下がりの光がピンク色であることによる。よく聞くノイズの例で擬音語で表現するなら、「ザー」という音に聞こえる雑音がピンクノイズで、「シャー」と聞こえる音がホワイトノイズである。
そのホワイトノイズを発生させるのがこの商品。
ホワイトノイズという全帯域にわたる周波数をほぼ均等に持ったノイズで、
- 騒音を目立たなくさせる
- 一つの音に意識がいってしまうのを防いでくれる
という効果があるとされ、安眠や集中力をあげたいときに使うと良いということです。
7種類のホワイトノイズ、7種類のファン音、そして10種類の自然音が用意されていて、お好みで選ぶことができます。
USBで充電すればコードレスで使用可能。タイマー機能あり、持ち運び便利などなどメリットも多いので、普段から騒音に悩んでいるという時には、こちらを試してみるというのも良いかもしれませんよ。
ポジティブマインドで過ごす
うるさい音が聞こえると、どうしてもネガティブになってしまいますよね。
「なんで、今頃工事なんかしてんだよ」
「なんでうちばっかりうるさいんだ」
などなど。
でもそう思っていても現状は変わりません。
こうした被害者意識を持っていると、どうしても感情的になり、イライラやストレスの元になってしまいます。
いきなりポジティブに考えろと言われても、難しいのはよくわかります。
しかし、同じ時間を過ごすのに、被害者意識でイライラしながら過ごすのと、少しでも有益に過ごすのとどちらが良いでしょうか?
ちょっと意識を変えてみて、隣の建築現場ではどんな家を建ててるんだろう、どんな建物が建つのかなあと想像を膨らませてみたり、もしくは、先に紹介したような方法でその音にとらわれずに、自分のやりたいことに没頭できるように方法を考えてみるのも良いかと思います。
騒音が気にならない人ってどんな人?
ちょっとした音にも敏感に反応する人もいれば、騒音なんかまーったく気にならないっていう人もいます。
騒音が気にならない人ってどんな人なんでしょう?
やっぱりポジティブマインド?
マンションなどでお隣さんの音や上階の音が聞こえたら、
「みんな大変なんだろうな」
「相手も辛い日々を送ってるんだろうな お互い様だ」
といって割り切ってしまえるん人、そういう人があまり騒音が気にならないようです。
そういった思考回路に切り替えられるほど、自分にも余裕があるのでしょう。
うるさいけれども、それでもお互いさまといって割り切ってしまえれば、自分も楽になるので、自分を守る方法として覚えておくと良いかもしれません。
脳科学の面からみると
脳には「右脳」と「左脳」があるのはご存じかと思います。
「右脳」は音楽や芸術をつかさどる部分であり、「左脳」は言語など理性的なものを認知する役割を持っている部分です。
これは日本人も西洋人も変わらない事実なのですが、面白い違いがあることがわかりました。
「ハミング」「動物の鳴き声」「感情音(喜怒哀楽の声)」というような、言葉とも音楽とも区別がつかないような音ってありますよね。
それらを「うるさい」と感じるか、それとも「気にせず聞き流すことができる」のか、日本人と西洋人には違いがあるというのです。
西洋人はそうした「音」を「音」としてBGMのように聞き流すことができるというのです。
これはそれらの音を「右脳」で受け止めているからなのです。
逆に、日本人はそれらの音を「左脳」で言語として認識するので、「うるさい」と感じてしまうのだとか。
左脳を使って、勉強をしているときやテレビドラマを見ているときなどに、お隣の犬が吠えだしたとなると、左脳を働かせているときに、さらに左脳が音をキャッチするものだから、プチパニックを起こしてしまうのだそうです。
それがイライラの原因を作ってしまうことになるのです。
なので、左脳で受け止めるなというのは難しいかもしれませんが、「聞き流す」くらいの気もちで音に対応するのが良いのかなと思います。
まとめ
私達の快適な生活を守るために、環境基準法や騒音規制法などといった法律によって、騒音が規制されています。
時間帯やその基準については紹介したものを参考にしていただければと思います。
どうしても音が気になるという時には、
- 好きな音楽を流す
- 忙しくする、何かに夢中になってみる
- 外出する
- 耳栓をする
- ホワイトノイズを使う
- ポジティブマインドで過ごす
といったことを参考にして試してみましょう。
音が気になるとずっと気になってしまうものですが、意識を変えて注目するところを変えてみると気にならなくなるっていうこともよくあるので、気分転換できることを探してやってみると良いですよね。
参考になれば幸いです。
今回はここまで!
COMMENT