こんにちは!
つくしです
朝起きて、ザーっと雨の音が聞こえてるとがっかりしますよね。
前日に腹くくってしっかり機材の雨対策してるのに(笑)
雨ロケ。
憂鬱ですよね。
通常の撮影プラス、
- 濡れてしまうことで機材トラブルがおこらないか
- ご好意で提供していただいた取材先をビショビショドロドロにしてしまわないか
- 現場ごとに雨対策で時間がかかり過ぎないか
などの問題が増えます。
このような問題にも対応するために、
- ワイヤレスマイク
- ガンマイク
- ポータブルミキサー
の基本的な雨対策をばっちりしておき、状況に合わせた対応ができるようにしておきましょう。
目次
撮影機材の雨対策:ワイヤレスマイク
まずは、ワイヤレス。
余談ですが、このマイクと水ってご縁があるんですよね。
水没の話しなんかは、そんなに珍しい話しではありません(汗)
つくしも一度だけ水没したことがあります(涙)トイレに……
ついでに余談の余談ですが、
出演者が、
「かわいい〜」
とか言ってウサギを胸にだっこして、ピンマイクのケーブルを噛み切られたこともあります。(この時は本当まいりました、ウサギのだっこは要注意!)一瞬ですよ!
このように、ワイヤレスという機材は技術スタッフの手からはなれる機材です。
インカムやエアモニなんかもそうですね。
機材管理を任せることになるのです。
なので、
装着後の注意喚起はしっかりしましょう!
送信機
送信機の養生に関しては、通常の雨程度ならば特にビニールに入れたりなどする必要はありません。
状況によっては、ビニールに入れたことにより中で蒸れてしまう危険性があるのと、送信機自体が大きく、目立つようになってしまいます。
扱いにくくなってしまいます。
普通の雨程度なら、もともと付いている送信機のカバーで十分です。
装着に関しては
送信機のツメでひっかけて装着する場合なら、ズボンやスカートの内側。体側にひっかけてもらいましょう。
または、ポケットに入れてもらいます。これでばっちりです。
ちゃんと理由を説明すれば、指示どおりに装着してくれます。
注意点は見た目と装着者の感触
タイトな衣装だとぽっこりとした見た目になってしまいます。
映画やドラマのように隠している場合なら論外。NGです。
その他の場合でも見た目は重要。濡れなければいいという考え方はよくありませんね。
感触とは、ズボンやスカートの内側にひっかけると、座ったりする時にあたって痛くなってしまう場合があります。
内側にひっかける時は、
「あたって痛くありませんか?」
の一言を。
マイクヘッド
送信機同様、普通の雨で対策はしません。
しかし、どうしてもマイクに雨があたってしまうぐらい激しい場合は対策をしましょう。
主に次の3パターン
①ウレタン風防大
通常の外ロケ用ウレタン風防より、少し大きめのウレタン風防。
通常の風防の上からスポッとかぶせて使用できればベストです。
ロケで使用されるピンマイクの口径が5mm程度なので、内径が8mm〜12mm程度の物が使いやすいと思います。
純正ではなく少し大きめの風防を使います。
インカム用などがちょうどいい大きさです。
例えばこちら、
※サイズはしっかり確認しましょう!
風邪対策にも効果的ですが、見た目が大きくなるという点が難点としてあげられます。
②フェイクファー
こちらも通常の風防の上からスポッとかぶせて使用できればベストです。
例えばこちら
※仕様はしっかり確認しましょう!
ウレタン風防大より、見た目がソフトに感じるのはつくしだけでしょうか?
どの番組でもよく見かけるアクセサリーになりましたね。
③仕込む
ズバリ、服の中に仕込みます。
この方法を選択するということは、かなり激しい雨風ですね。
つくしも激しい雨のふぐ漁やこんぶ漁で仕込んだ経験があります。
(漁ロケ多いかったです)
個人的にナイス判断!
と現場でニヤニヤしてました。
実は、この状況の仕込みって、簡単なんですよ。
なぜなら、
- ベースノイズが高い
衣擦れがわからなくなる - ベースノイズが高いのでセリフ、コメントの声が大きくなる
仕込んでもクリアに収録することができるのと同時に、ボリュームをしぼることになるので、こちらも衣擦れがわかりにくくなる
以上の理由からです。
ピンマイクがびしょびしょになってしまう状況の選択肢として覚えておきましょう。
補足として、
舞台音響の仕込みで汗対策というものがあります。
↓
汗対策レポートはこちらから
どうですか?
とても参考になりますね。
収録ロケでなかなか実践することはないと思いますが、関連ということで紹介しておきました。
撮影機材の雨対策:ガンマイク
ガンマイクの雨対策は、ウィンドシールド+ハイウィンドジャマーを使う。の一択です。
(↑写真の状態です)
映画やドラマならば、間違いなくこのスタンバイでしょう。
しかし、
情報、バラエティなどのENG取材では、そんなごっついマイクでは取り回しに不便……
しかも途中で付け替える時間なんかありませんよね。
ENGにおいてガンマイクの準備は、ほとんどソフタイといっても過言ではありません。
とても使いやすく、素晴らしい機材です。
グリップ付きはこちら
このソフタイで雨対策ができればいいですね!
……ひっぱってもしょうがないので、結論を言うと。
できません。
ソフタイに装着したガンマイクはむき出しの状態です。
雨が直接あたる。ということです。
そもそも、コンデンサマイクを濡らすことはNGです!
でも、
しのぐ。
少しの間だけしのぐ程度なら、方法はあります^^
つくしもこの2つの方法でしのいでいました。
①フェイクファーをかぶせる
この方法は、ソフタイのガンマイクが出ている部分にフェイクファーをかぶせる。というもの。
このフェイクファーは、ピンマイクの仕込みに関する記事で紹介した生地でOKです!
ソフタイのファーの後ろの部分から、ガンマイクについているマイクケーブルのコネクタが隠れる範囲。
安全ピンで固定できれば問題ないでしょう。
しのぐことができればOKなので、形も固定方法も自由です。
つくしは、フェイクファーを筒状に加工してスポッとはまるように、グリップ側に切り込みを入れていました。
また、ソフタイはそんなに風に強くないので、このフェイクファーを前に付けて風防力?!をアップしていました。
とっても使い勝手がよかったですよ^^
※画像が無くて申し訳ありません。
②ハイウィンドジャマーをかぶせる
この方法は、一見 えっ!
と思いますが、
かなり効果的。
ソフタイの上からかぶせて、チャックもちゃんと閉めれば意外とフィットするんです。
つくしも、これでいいんじゃないの?
と。
脱着も素早いのでENGに向いている方法です。見た目さえ気にしなければ何の問題もありません。
ぜひ試してみてくださいね^^
しかし、
大切なことなので繰り返しますが、
- フェイクファーをかぶせる
- ハイウィンドジャマーをかぶせる
は、
少しの間だけ、しのぐための個人的なアイデアです。
「ガンマイクの雨対策は?」
の問いに対しては、
ウィンドシールド+ハイウィンドジャマーを使う。
の一択です。
撮影機材の雨対策:ポータブルミキサー
ポータブルミキサーの雨対策は、
各メーカーで販売されている製品を使うのが一番です!
機能的でしっかりしていますね。なにより、
かっこいい。
これ大切です。
機材がかっこいい(きれいな)ことで、
いい音を録る音声さん。
と認識されます。
ここでも見た目は重要なんですよ(笑)
では、
どれを選べばいいの?
ですよね。
それでは、選定条件と裏技を少し。
選定条件は、
①脱着が簡単なこと
ENGなので当然、外から中、中から外の移動があります。
音声はとにかく細かい機材も含め、たくさんの機材を持ち歩いています。なので、他のスタッフよりフットワークはよくありませんよね。
その上雨カバーの脱着が遅いということは、スムーズな進行を妨げることになるので可能な限り脱着の簡単なことが条件となります。
②自分も雨対策できること
重複しますが、音声はとにかく機材が多い。なので、機材と自分の雨カバーを1つにできることも重要な条件です。
これらの条件を満たす、ポータブルミキサーの雨カバーは……
イメージできましたか?
そうです!ズバリ!
ポンチョ型です!
腕を通すことなく、マントのように素早く変身可能なのです!
上下しっかりしたセパレートタイプのカッパと、ポータブルミキサー用の雨カバーでは、脱着に時間がかかってしまいます。
音声はポータブルミキサーと一体化しています。チャンネルが多くなればなおさら。
この一体化された機材と体を、時間をかけてはがすことなく、雨カバーの脱着を可能にする唯一の形が、ポンチョ型。というわけです。
ここで裏技をひとつ。
このポンチョ型の雨カバー……
100均のレインコートで代用できるんです!
装着方法は、
- 機材を装備したまま、レインコートを腕を通さず羽織ります。
- 一番上のボタンは閉めず、2つ目3つ目のボタンを閉めます。※レインコートの種類によります。具合のいいようにしましょう。
- ガンマイクを持つ方にクルッ!と90°回転。
どうですか?
いい感じですよね。
ガンマイクを持つ腕がコートから出て機能的なんですよ^^
この場合のレインコートは、ミキサーのメーターが見える透明がベストです。
関連用語集
ロケ
場所を指します。または、野外で行われる撮影のこと。
インカム
相互連絡のための通信装置。
エアモニ
電波を使用し、主にイヤホンで収録などの確認したい音を聞く装置。
ベースノイズ
『目的音』以外の現場音を指します。『ベースノイズが高い』『ベースノイズが低い』と表現します。
ベースノイズが高い場合は、目的音をマスクされる為、ガンマイクなどの距離を置く収録形態には不向きな状況と言えます。しかし、ピンマイクの仕込み(隠し)の場合は、仕込みによる衣擦れ音がマイクされる為、仕込みやすい状況と言えます。
ベースノイズは様々ですが、その場所特有の音とも言えます。情景用、編集素材という想定も必要。
衣擦れ
着ている人の動作による、衣装の擦れから発生するノイズを指します。ピンマイクを仕込んだ(隠した)場合は、マイクと衣装が擦れてノイズを発生する状況を指します。セリフ以外の衣装ノイズの総称。
ENG
ハンディーカメラで取材することを指します。1クルー、1チェーンなどの単位で呼ばれます。撮影ジャンルは、
- 情報
- バラエティー
- ドキュメンタリー
- 報道
- 街頭インタビュー
など様々。
編成は最小でカメラマン1名ですが撮影内容により、
- VE
- 音声
- 照明
- カメラアシスタント
となります。
カメラマン以外のスタッフで、上記の仕事を兼務する場合もあります。
あとがき
今回は、基本的なENGの音声機材、
- ワイヤレスマイク
- ガンマイク
- ポータブルミキサー
の雨対策を紹介しました。
雨に濡れることによる機材トラブルを防ぐことはもとより、
- ご好意で提供していただいた取材先をビショビショドロドロにしてしまわないようにする
- 現場ごとの雨対策によるスタンバイ時間の短縮
にも重要な意味を持つ準備。
ということが理解できたと思います。
雨天でのロケは、準備、装備、現場での立ち回りは、間違いなく大変になります。
それは、全てのスタッフ、出演者、取材先も同じです。
雨の対策をしていないということは、それら全員に迷惑をかけてしまう。
ということなんですね。
そう考えると、天気のいいロケは楽なはずなんだけどな〜。
今回はここまで!
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