こんにちは!
つくしです
先日フィルム(映画)出身でフリーランスの助監督さんとお仕事をさせていただいた時、その人が「この現場が終わったらスキューバダイビングの旅に行ってきます!」と言ってて、その期間がなんと、
3ヶ月。
すごくないですか、
3ヶ月のお休みです。
でもこの人、毎年この3ヶ月の休みのために働いてるそうです。
フリーランスで3ヶ月も仕事を休んだら、なんかその後仕事がなくなってしまいそうでなかなかそんな行動できませんよね^^;
でもこの助監督さんの仕事は、毎年ちゃんとあるんです。
それはもちろん、
助監督のプロだからです。
アシスタントや助手の古いイメージなんか考える必要もない
撮影という仕事は、
監督
撮影技師
(カメラマン)
照明技師
(LD)
録音技師
(音声)
衣装さん
メイクさん
などなどさまざま。
そしてこれらにはそれぞれ、「アシスタント」や「助手」と呼ばれるポジションがあり、世間一般には「下っ端」という認識が今だにあります。
この認識はほんと残念ですし、入りたての新人さんにもいい影響をあたえていません。
「あ、助手なんだ」
「え、まだアシスタントなの」
とちゃんとその仕事の大切さもわからず、その人のことを軽く見たり、
(助手の仕事なんて若手の仕事)
(俺いつまで助手なんだ)
と考えてわざわざ自分を追い詰めたり、
ほんと、
勘違いです。
なので特にかけ出しの新人さんは、ポジション名なんか忘れて目の前の技術をみがくことだけに集中しましょう。
例えば私の「録音」でやることをざっくり説明すると、
録音技師は、
・作品に必要な音の録音
・台本にそった音の調整
・スタジオ、ロケの打ち合わせ
録音助手は、
・台本にそったマイクのオペレート
・現場の音止め
・機材管理保守
特に機材管理保守なんかは完全に住み分けているわけではありませんが、
どの作業もクオリティを重視するなら兼務すべきではありません
その理由は、ポジション名なんてまったく関係ないひとつひとつが重要なプロの仕事だからです。
なので、アシスタントや助手といったポジション名のイメージから生まれる【下っ端意識】なんてものは絶対にあってはいけません。
ちなみにここで言う「下っ端意識」とは、
撮影スタッフ以外からだと、
「メインになる前の未熟なスタッフ」
新人さんの立場だと、
「誰にでもできる雑用係」
という感じです。
これは撮影に限らずどの仕事にも言えるとだと思います。
目標と貢献
アシスタントや助手からメインを任されるようになるにはやはり下積みが必要で、このメインを志して撮影という業界に入ってくる人がほとんどです。
なのでこの人たちにとってアシスタントや助手は、「はやく通過したいポジション」ということになります。
ですが、
アシスタントや助手のプロ(そのポジションで生計を立ててる人)も一定数存在します。
むしろ映画でよく聞く「◯◯組」というチームなんかはその集合体といえます。
なのでそういったチームではメインがアシスタントに技術を教えることはほぼありません。
ひとりひとりがその期間その現場で最高の技術を発揮するだけです。
そして作品にしっかり貢献できていれば次の現場にも呼ばれ、仕事が続いていくわけで、そこにはメインもアシスタントもありません。
これが最初に紹介した助監督さんで、この人の「次もよろしく!」と思わせる能力は、
つなげる力です。
点を線にして現場をまわす人
撮影の仕事にはいろんな役割りがありますが、もちろん全ての仕事はつながっています。
例えば、
カメラアングルのためのセットの修正
カメラマン→大道具さん
オープンロケの電源確保
照明さん→制作さん
ピンマイクの仕込み
音声さん→衣装さん、メイクさん
という具合です。
なので、どの役割りも仕事のクオリティを上げるためには他のプロの協力が必要とも言えます。
逆に言えば協力体制が築けないとかなり苦戦する場合もあります。
(きついです)
とはいえそんな良好な関係はすぐにはできないのでそれなりの時間が必要です。
しかし反面、
ずーっと同じスタッフで仕事は続きませんし、それでは新しい技術や発想が生まれなくなってしまいます。
なので実際はいつも仲良しメンバーではないということです。
ここです。
自分の仕事をちゃんとこなしながら初顔合わせのスタッフ達を協力関係にしてしまう能力。
この能力の高さで毎年3ヶ月のお休みをとってもあの助監督さんには仕事があり続けていると言えます。
実際にどんな動きをしているかはとても書ききれないので割愛しますが、この助監督さんはこれで地位を確立しています。
まとめ
ポジション名だけで「監督の助手で将来監督になるための修行中」という感覚ではなく、今している作業を磨き上げることに専念することが大切です。
そうすることによって今回の助監督のプロのように、他の助監督さんとは違う能力を身につけることができると思います。
そのポジションの基本技術は当たり前。
それ以外にどう役に立つことができる人なのか。
これは結果作品につながる、「人のために」を考え抜くことだと思います。
基本的な仕事をこなしつつ人のために動ける。最強です。
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今回はここまで!
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