キャンプやアウトドアを楽しむときにはポータブル電源があると便利ですよね。
しかしこのポータブル電源が活躍するのはアウトドアを楽しむ時だけではありません。
例えば、自宅の庭でガーデニングを楽しむときに、
ちょっと電気が使いたい!
でもコンセントが遠い!
という時にはポータブル電源を使って電気を供給することができます。
家の中でも、
ちょっとパソコンのバッテリーがきれそう~
ちょっと扇風機が使いたいなあ
という時でも電源がすぐそばにない状況でもこのポータブル電源があると便利に使えるというわけです。
さらには災害時にライフラインが止まったという時にも活躍するので、1台持っていると何かと便利かなと思います。
そんなポータブル電源なのですが、使っているとちょっとした疑問も出てきます。
そこで今回は、
といったことについて調べてみました。
目次
ポータブル電源を充電しながら、使ってもいいのかな?
ポータブル電源もまたそれ自体が充電が必要なものです。
ポータブル電源の充電がまだ100%じゃないけれど、でも急ぎで電源を使いたいから充電しながら使うという場面もよくあるものです。
これっていいのでしょうか?
結論から言えば、「使えないことはない」のですが、気を付けたいことがいくつかあるので、それらの点についてみていきましょう。
電池の寿命が短くなる
ポータブル電源を充電しながら使用することを「パススルー充電」と言います。
これをすると実は、電池の寿命が短くなるんです。
ポータブル電源は使い捨てというわけじゃないですから、何年でも長もちさせたいものですね。
ではなぜ寿命が短くなるのでしょうか?
パススルー充電することでポータブル電源が劣化する2つの原因を見てみましょう。
1、電池に大きな負担を受けるため
ポータブル電源の電池もリチウムイオン電池ですが、そのほかの「3元素」や「リン酸鉄」、「リチウムポリマー」といった素材の電源でも同じことが言えます。
これらの電池を充電しながら、その充電した電力を他の機器の充電のために放電することで、ポータブル電源の電池は大きなダメージを受けることになります。
バッテリーの劣化が寿命を短くしてしまうのですね。
よくわからないという時には、身近なスマホを考えてみましょう。
スマホを充電しているときに、ゲームをしたり動画を見ていたりすると、スマホが熱くなってしまったという経験はありませんか?
充電と放電を同時にすることで、バッテリーで熱が発生し高温になってしまうのです。
それだけにバッテリーにとっては大きな負担になっているのです。
同じようにポータブル電源でも同じことが言えて、充電と放電を同時にすることでポータブル電源のバッテリーがダメージをうけて劣化の原因になるのです。
2、充電サイクルのカウントが進む
ポータブル電源は製造しているメーカーごとに充電サイクルを設定しています。
例えば800回で残量80%、といった具合にです。
充電サイクルは充電容量の100%を使い切った時点で1サイクルをカウントするのですが、ずっと充電と放電を続けている状態が続くと、放電量が100%になるごとに充電サイクルもカウントが進んでしまっているのです。
そのため、充電サイクルがカウントされるにつれて、バッテリーの劣化は進んでいきます。
充電・放電をし続けているとこのようにバッテリーの劣化が進み、寿命が短くなってしまうということなのです。
充電電力より出力電力を小さくすると良い
どうしてもパススルー充電をしないといけないという場合には、充電電力よりも出力電力を小さくする必要があります。
出力電力が大きいと充電ができませんし、電源が切れてしまうことになるので、出力電力がどのくらいなのか確認し、充電電力よりも小さくなるようにしましょう。
ところで、外でソーラーパネルで充電する方法と、コンセントに差し込んで充電する方法ではその充電できる電力にも違いがあります。
あるポータブル電源でソーラーパネル充電してみると、晴れの日で100wくらいの充電量になります。
コンセントであれば、260Wくらいの充電量になるようです。
このことから、ソーラーパネルの充電であれば、スマホやパソコンの充電、扇風機といった小型の家電くらいが使えそうです。
ポータブル電源は充電しっぱなし状態でもいいのかな?
私はスマホなどもたまに充電しっぱなしにしていることがあるのですが、これって大丈夫なのかなって思うこともあります。
スマホが熱くなってることがあるからです。
ポータブル電源も同じで充電しっぱなしっていいのかな?
いや、良くないんじゃない?
と思って調べてみました。
結論から言えばやはり「良くない」んです。
詳しく見ていきましょう。
リチウムイオン電池の加充電はNG
スマホなどを充電しっぱなしにしていると、時に発火してボヤ騒ぎになったというニュースを見たことがありませんか?
リチウムイオンバッテリーの場合、100%充電された状態になると、高電圧によって構成材料の化学変化の活性化が起こり、外から衝撃が与えられると発火の危険性が生じるのです。
充電しっぱなしで必ず発火するというわけではなく、その危険性が高くなるということです。
なので、
工場などで生産され出荷されるときにはバッテリーの容量は20~50%くらいにしてあり、100%満充電の状態にはなっていないんですよね。
100%充電を維持するとバッテリーの劣化が進む
発火などの危険性を避けるためにも過充電を制御しているポータブル電源もあるようです。
しかし、いくら制御されているとはいえ、コンセントに差しっぱなしで充電しっぱなし、つまり充電100%に近い状態が維持されると、バッテリーの劣化が進みやすくなり、長持ちしなくなるので、やはり注意が必要です。
ポータブル電源の寿命はどのくらい?
では、そもそもポータブル電源の寿命はどのくらいなのでしょうか?
高価なものだけに長い期間使いたいものですが、それでも永遠に使えるわけじゃないですよね。
ポータブル電源の一般的な寿命は約10年と言われています。
寿命が近づいてくると、充電するのに時間がかかったり、バッテリーの減りが早くなったりします。
また、充電と放電のサイクルとしては、約500回~4000回とされていて、メーカーや商品によって違います。
この決まっているサイクルの回数に達すると、期間を問わず寿命を迎えるということになるのです。
ポータブル電源を長持ちさせるにはどうしたらいいのかな?
ポータブル電源を充電しながら、使ったり、また充電しっぱなしにしているとバッテリーの劣化が進み、寿命が短くなるということが分かりましたね。
では、逆に、長持ちさせるにはどういう点に気を付けて、またどのように保管しておくのがベストなのでしょうか?
高温多湿を避ける
ポータブル電源は人間と同じで高温多湿が苦手です。
もっとも、人間だけではなく、多くの機械たちもそうですね。
特に、暑い夏に直射日光が当たる場所に置いて使うと、内臓されているリチウムイオン電池が熱くなり、さらに熱くなったまま使用すると、劣化の原因となり寿命が短くなります。
ポータブル電源は野外で使うことが多いのですが、暑いなあと直射日光の元にいる私達が少しでも涼しいところに行こうとするように、ポータブル電源も一緒に涼しいところに移動させてほしいものです。
リチウムイオンが性能を最も発揮するのは25度前後の環境と言われています。
ちょうど人にとっても過ごしやすい気温ですね。
あまりに寒いところも良くないということなのです。
氷点下の気温になるときには、ポータブル電源も動きが鈍くなります。
使用するときはもちろんのこと、使わないときに保管しておく時にも高温多湿の場所をさけ、風通しの良い涼しいところに保管するようにしましょう。
継ぎ足し充電はOK
継ぎ足し充電というのは、最後まで使いきっていないバッテリーを使い切る前に充電することをいいます。
継ぎ足し充電は良くないという話もよく耳にするのですが、これはそうでもないのです。
継ぎ足し充電もOKです。
充電するタイミングは?
バッテリーの残量が20%程度になったときが、充電するベストタイミングと言われています
これはスマホなども同じですが、ポータブル電源もしかり。
この充電が20%以下になると低電力モードになるので、機能を果たしにくくなります。
バッテリーに負担をかけないためにも適度に残量がなくなったら、充電することをおススメします。
保管するときはバッテリー残量を60~80%にしておく
ポータブル電源を家庭内で活用している場合にはいいのですが、アウトドアを楽しむ時、または災害の時だけといった限定的に使う場合いは、長期にわたって保管するということもありますね。
保管するときにはバッテリーの残量を60~80%くらいにして保管するようにすると、必要なときにすぐに使うこともできますし、継ぎ足し充電も可能なので、必要に応じて充電すればよいのです。
ポータブル電源はフルの状態まで充電しても、逆にバッテリーの残量がゼロになっても電池に負荷がかかるのです。
なので60~80%残しておくのが適切なのです。
この残っているバッテリーですが、ポータブル電源を使わずに保管しておくと、放置しているだけでもバッテリーがゼロになります。
なので、長期保管する場合には半年に1度くらいの割合で残量をチェックする必要があります。
少ないなと思ったら継ぎ足し充電しておきましょう。
バッテリー残量がゼロになると、これもバッテリーの劣化の原因になりますし、災害時などいざという時にすぐ使えないと困ることもあります。
なので、定期的に確認しておくことで、ポータブル電源の寿命を延ばすことにもつながりますし、大切なときに使うこともできるというわけです。
パススルー充電は避ける
これは先述した通りですが、パススルー充電することでバッテリーにダメージを受けることがあり、劣化の原因となります。
長く良い状態を保つためには、できるだけパススルー充電は避けたほうが良いということです。
人を例えにあげてみることもできます。
一度にあれもやって、これもやってと指示されたら、ちょっとパニックになりますよね。
それだけ人の頭の中にも負担になりますし、ストレスを受けることもあります。
それと同じように、ポータブル電源もあれもやってこれもやってとなると、ポータブル電源自体にストレスがかかり、ダメージを受けやすくなるんです。
できるだけパススルーは避けましょう。
保管するときは箱から出して
ポータブル電源を長期保管するときには、箱に入れたまま保管したほうが安全と思いがちですね。
しかし、箱の中で湿気がたまったりすると「多湿」というポータブル電源が嫌う環境になってしまいます。
劣化どころか故障の原因にもなりかねません。
購入した後にも、箱や梱包から取り出し、風通しの良いところに保管するのが良いのです。
ただし、寒い地域では、家の中であれど気温がかなり下がる場合がありますね。
そうした時には、梱包し、保護してあげる必要があります。
環境に応じて保管方法を調節してあげるとポータブル電源も長生きすることでしょう。
過充電防止機能
バッテリーマネージメントシステム(BMS)というシステムが搭載されているポータブル電源もあります。
このシステムは過充電時には充電を停止してくれるものなのでこのような機能があるかどうかも購入時に確認してみると良いですね。
パススルーできるポータブル電源もある?
ポータブル電源を長持ちさせるためにはパススルーは控えたほうが良いと述べてきましたが、実は「パススルーをしても大丈夫ですよ」というポータブル電源もあるという話を耳にしたのです。
Jackeryのポータブル電源2000Proですが、パススルー充電も可能とのこと。
Jackeryの公式ホームページにも書いてありました。
(参照:https://www.jackery.jp/products/solar-generator-2000pro)
ただし、充電方式によって出力電力の制限があるので、よく確認して使用するようにしましょう。
他にも、
こういった商品たちはパススルーをしてもバッテリーの劣化を抑えるように作られているとのこと。
もちろん他にもあるでしょうし、詳細を確認するなり、またはメーカー側に問い合わせるとより安心ですね。
ポータブル電源を選ぶときのポイントは?
ポータブル電源を新しく買う場合、または買い替えを考えている場合に、どんなことを考慮して選んだら良いのか、ポイントを確認してみましょう。
電池容量
ポータブル電源のバッテリー容量は「Wh(ワットアワー)」で表されているので、この数値を見て判断します。
容量は大きいものから小さいものまでいろいろですが、主に使う目的によって目安を考えてみると良いでしょう。
例えば、日帰りのアウトドアやテレワークなどで使うと言う場合には、350Wh以下のものでも十分使えます。
軽くて持ち運びにも便利なのでおススメです。
一方、小型冷蔵庫や炊飯器などの消費電力の大きな家電を使いたいと言う場合は、500Wh程度のものだと安心して使えますし、キャンプが連日続く場合、または災害時に数日分の電力を確保したい場合には600Wh以上のものが適しています。
周波数
日本国内では電気の周波数が関東と関西で違います。
関東では50Hz、関西では60Hzとなっているので、お住まいの地域に合うものを選ぶようにしましょう。
最近の家電はどちらの周波数にも対応しているヘルツフリーのものも増えたのですが、ポータブル電源に関しては、どちらにしか対応してない製品も多いので、購入の際には周波数もよく確認しておく必要がありますね。
出力端子
出力端子は家電によっていろいろです。
ポータブル電源に備え付けられている出力端子の種類と数も確認しましょう。
どういった目的で使うのかによってその出力端子も違ってきますからね。
目安としては、
・AC出力ポート
一般的な家電
いわゆるコンセントに対応
・USBポート
パソコンについている形状
・DC出力ポート
車用のアイテムなど
といった3種類がついていると、いろんなところに無難に使えて便利です。
特に、USBポートはスマホを始め、いろんな場面で使うことが多いので、複数あるとより便利でしょう。
正弦波
正弦波というのは、電力の波形のことです。
ポータブル電源から供給される電力には波形がありますが、モデルによって違ってくるのです。
特にこだわりがない場合は、正弦波のものを選ぶと無難です。
充電方法
ポータブル電源の充電方法としてはAC端子を通して充電するのが一般的です。
しかし、製品によっては、ソーラーパネル、シガーソケットから充電できるものもありますし、複数の充電方法を取り入れているものもあるので、確認してみましょう。
複数の充電方法があったほうが便利かもしれませんね。
ソーラーパネル充電では、キャンプの場合や災害で避難した場合でも太陽熱で充電できるので充電しやすく、電力を確保しやすくなります。
また車があれば、車から充電できるものを選んでおくと、キャンプなどのアウトドアや災害時にも活用できますよ。
バッテリー交換可能
中にはバッテリー自体を交換できるポータブル電源もあります。
バッテリーが劣化した場合には、バッテリーだけを購入して交換すればよいので、本体を買う負担がなく便利ですね。
ただ、こうしたバッテリーを交換できるポータブル電源はあまり多くないようです。
SmartTpa
PowerArQ3
555Whと大容量のポータブル電源なので、あらゆる場面で活躍しそうです。
スマホで言えば31回くらい充電できるとか。
ほとんどの家電を使用することができます。
充電方式はAC端子はもちろんのこと、ソーラーパネルとシガーソケットからもできます。
予備のバッテリーを持っていれば、バッテリーを交換しながら使うことができますね。
残量の減ったバッテリーは別途に充電しておくこともできます。
ELECAENTA
ポータブル電源
ソーラーパネルも別売りでありますので、購入しておくと充電の仕方が増えて便利。
またこちらも予備のバッテリーを準備しておくことで、突然の災害時にも数日にわたってより長く電源を使うことができて便利ですよ。
まとめ
ポータブル電源は家庭内でも、アウトドアでも、さらには災害時にも使える便利なアイテムですね。
目的に合わせて選んでみると良いのですが、扱い方には注意が必要ということですね。
- 充電しながら使用するパススルー充電は避けたほうが良い
- 充電しっぱなしもバッテリーの劣化につながるので避けたほうが良い
ということです。
ポータブル電源の寿命はおよそ10年ほどですが、そのくらい長く使うためには、バッテリーの劣化を防ぎ、保管するときにも適度な残量を残して保管するということがポイントになります。
中にはパススルーをしてもバッテリーが劣化しにくいという製品もありますし、バッテリーを丸ごと交換できる製品もありますので、目的に合わせて、また選ぶポイントも今一度確認しながら選んでみると良いでしょう。
アウトドアや家庭で使うならまだしも、いざという災害時に役に立つものであってほしいので、定期的にバッテリーの残量を確認したり、お手入れすることをおススメしますよ。
参考になれば幸いです。
今回はここまで!
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