陸上競技を見ているときにふと気になったのが投てき競技をしている選手のほとんどが投げる瞬間に大きな声で叫んでいるシーンをみました。
最初は気合をいれて投げているんだろうなー、と思っていたのですが……
どうやら大声を上げながらやると記録が伸びるらしいです。
なぜスポーツ選手の多くはプレー中に大声を上げるのか?
陸上競技に限らず、例えばテニスのスマッシュやウエイトリフティングなどの瞬間的に大きな力を入れる際に大きな声を上げているシーンをよく見かけます。
筑波大学の研究によると、声を上げたときと上げていない時の筋肉の力の差は、
パワー系の競技者が掛け声とともに筋力を発揮した際最大筋収縮速度が約9%、筋力が14.6%増大したと研究結果が残っています。理由としては中枢神経の興奮状態の水準が掛け声によって変動している。
との事。
つまり、脳から中枢神経などの神経系や筋出力系に命令を出すときのリミッターを一時的に開放し、筋力の限界値まで力を覚醒させる効果が掛け声にはあるとのことでした。
俗にいう火事場の馬鹿力と呼ばれるもので人間は本来けがをしないように本来の力の7割程度の力でセーブせれていますが、この制御を一時的に解除することができ、記録アップを目指しているようです。
火事場の馬鹿力とは?
前述でも紹介した火事場の馬鹿力ですがスポーツ選手だけではなく私たち一般の方でも発揮することがちょくちょくあります。
その例として特に多いのが人命救助や生命の危機に陥った時などの非常事態の場合に置かれると普段の力からは想像もつかないようなパワーを発揮することが出来るといいます。
例えば震災の時に重い家具やがれきをどかしたり、普段歩けないような人が自力で逃げたりする話があります。
ピンチの時に力を発揮するなんてまるで漫画の主人公の話みたいですが、そんなウソのような本当な話はたくさん実在時します。
私たちの体には200個を超える骨と、それを支えるたくさんの筋肉で出来ています。
普段から筋肉を100%フルで発揮した状態で体を使い続けると、筋肉や骨にすさまじい負担がかかってしまい、体がボロボロになってしまうそうです。
そうならないために人間の脳にはあらかじめ体の損傷を防ぐために、安全装置としてリミッターが備わっているといいます。
自分の力としてはこれ以上ムリと7割~8割程度で早めに制御が体に感じるようになっているみたいです。
ただこれが緊急事態に陥ったときに、脳からホルモン物質の一つであるアドレナリンが過剰に分泌され……
それによって心拍数、血圧が急上昇することで今まで脳によって制限されていたリミッターが解除され、本来体に備わっている潜在的なパワーを発揮することが出来る。
という仕組みだそうです。
100%力を発揮すると今まで言ったように筋肉や骨にかなりの負担がかかってしまいます。
特に災害時や命の危機に陥っているときはけがをしやすそうですよね……
しかし、火事場の馬鹿時からを発揮しているときは、痛みを感じにくくする効果もあるみたいです。
それは、アドレナリンと一緒に分泌されるβエンドルフィンにその秘密があるそうです。
よくがん患者の痛みを抑える薬の中にモルヒネという物質がありますが、βエンドルフィンはこのモルヒネの数倍の鎮痛作用の効果があるといわれ、脳内麻薬とよばれることもありる物質。
そんなβエンドルフィンの分泌のおかげで、火事場の馬鹿力を発揮しているときはけがをしているときでも痛みを感じずに力を発揮することが出来るみたいです。
ただ一つ注意としては火事場の馬鹿力が終わった後にβエンドルフィンの分泌が減少していくとけがの痛みや傷に初めて気づくこともあるようです。
痛みの程度によってはあまりの痛みに気絶してしまったり、後になって悶絶してしまったりしてしまう場合もあるそうです。
まとめ
今回はハンマー投げの選手がなぜ叫ぶのか調べていきました。
ハンマー投げに限らず、様々な競技や非常事態などに大きな叫び声をあげると本来自分に備わっている力を発揮することが出来ますが、体にかかる負担も大きいため、必殺技のようにここぞというとき以外は使用しない方がよさそうですね。
今回はここまで!
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