地域包括支援センターってご存じですか?
あ、名前は聞いたことあるかも
まったく知らない
うちはよく利用している
と、反応はいろいろかと思いますが、「よく知らない」と言う人が多いのではないでしょうか。
そういう私も「よく知らない」人たちの中の一人なので、気になって調べてみることにしました。
ということで、
といったことについて調べてみました。
さっそく見ていきましょう。
そもそも地域包括支援センターって?
そもそも地域包括支援センターって何なのでしょう?
地域包括支援センターは高齢者のための施設
このネーミングから想像がなかなかつかないですよね。
例えば、「○○文化センター」とか「青少年センター」だとか、「スポーツセンター」などという名前なら予想もつくものですが、「地域包括支援センター」と言われると、はて、誰を対象にしたものなのだろうか?と疑問に思う人も多いでしょう。
この地域包括支援センターは簡単に言うと、「高齢者」たちのための支援センターなのです。
高齢者の暮らしを地域でサポートするために作られた施設がこの地域包括支援センターだというわけです。
地域包括支援センターはどこにある?
「地域」という名前がついているだけに、実に、あなたのお住まいの地域にも探してみるとあるはずです。
全国に5000か所あると言われているこの地域包括支援センターですが、5000か所と言うと想像がつきにくいかもしれません。
地域包括支援センターは2~3万人程度の住民に対して1か所存在すると言われています。
とはいえ、
これでもよくわかりません。
わかりやすく言うと、公立中学校と同じくらいの割合と考えるとわかりやすいかと思います。
地域に中学校があれば、同じくらいの割合でこの地域包括支援センターもあるんですよ。
知らなかっただけで、実はあったということも多々あります。
私もさっそく、実家の近くにあるのかと調べてみたら、ありました。
本当に家の近くにありました!
まずは、お住まいの近くの地域包括支援センターを探してみましょう。
それでも、「そんな施設、聞いたことないけど?」
と言う場合には、「高齢者相談センター」もしくは「シニアサポートセンター」などと呼ばれているところもあるようです。
地域によって呼び名が違うこともあるので、お住まいの地域の自治体に問い合わせてみることをおススメします。
地域包括支援センターは高齢者のための総合相談窓口
で、この地域包括支援センターは高齢者のための施設だということですが、具体的には何ができるのでしょうか?
この地域包括支援センターは「高齢者のための総合相談窓口」とも言えるのです。
高齢者のための介護や介護の予防など保健福祉サービスに関するものから、日常生活において困っていることなどの相談事、また介護保険の申請窓口としても利用することができます。
高齢者ご自身が相談することもできますし、高齢者を介護している家族の相談窓口にもなってくれますよ。
地域包括ケアシステムを支える拠点
もう一つ、地域包括支援センターは地域包括ケアシステムを支える拠点とも言えます。
ここで、地域包括ケアシステムというのは、国が実施している「地域内の高齢者を支えるためのシステム」のことです。
少子高齢化社会への対策として進められているものです。
例えば、高齢者が介護が必要な状態になっても、住み慣れた今の地域でずっと暮らしたいものですよね。
そうした場合に、介護をはじめ、医療や生活支援など、生活に必要なサービスを提供できるように環境を整えて行こうというのがこの地域包括ケアシステムなのです。
そして地域包括支援センターは、この地域包括ケアシステムの拠点となっていく施設でもあるというわけです。
地域包括支援センターは何歳から利用できる?
地域包括支援センターが高齢者のための施設だということがわかりました。
ではこの施設、何歳から利用できるのでしょうか?
地域包括支援センターの利用対象者
では地域包括支援センターはどんな人たちが利用できるのでしょうか?
高齢者と言いますが、高齢者っていったい何歳から?という疑問を持ってる人もいるでしょう。
まずは65歳以上の高齢者の方たちです。
もちろん、その管轄の地域にお住まいの方たちですね。
高齢者というのは65歳以上を指し、高齢者の方たちが生活において困ったことなどがあれば、相談窓口になってくれるのがこの地域包括支援センターなのです。
そして、この高齢者の支援に携わっている方たちも利用ができます。
家で高齢者を介護しているという家族の方たちや、高齢者の介護や支援を担っている方たち。
こうした方たちもこの地域包括支援センターを利用することができます。
認知症など本人の判断力が低下している場合にも家族や介護に携わってる方が、センターを利用して相談することもできますし、遠方に住む親の介護について相談したいという場合にも家族が利用できます。
ただし、この遠方に住む家族の場合は、親御さんが住んでいる地域のセンターに相談に出向かなければならないので、ちょっと大変かもしれませんね。
実際に親御さんの介護などをしてくださってる方にお願いして行ってもらうというほうが良いかもしれません。
もちろん、まだ介護など受けられていない、今後どうしていいかわからないという場合には、やはり一度出向いて相談してみるのが良いですけどね。
地域包括支援センターではどんなことができる?機能は?
地域の高齢者たちの相談窓口だということですが、ではこの地域包括支援センターではどんな相談ができて、どんな機能をはたしてくれるのでしょうか?
地域包括支援センターの主な機能は次の4つ、プラス1です。
- 総合的な相談の窓口
- 権利擁護(けんりようご)
- ケアマネジメントの支援
- 介護予防ケアマネジメント
- 地域包括支援センターにはこんな専門家たちがいる
先にも見てきたように、地域包括支援センターでは地域包括ケアシステムの拠点となっていくところです。
そのためにこのような機能を備えているところである必要があるのです。
では、一つずつ見ていきましょう。
1、総合的な相談窓口
その地域に住む高齢者たちの相談窓口となっているのが地域包括支援センターですね。
高齢者の方たち、もしくは、その家族たちの相談の窓口になってくれているのです。
例えば、初めて家で高齢者の介護を始めた、介護をしているというときには、いろんな困難にぶつかるものです。
介護って大変だというのはよくご存じかと思いますが、やってみたことのない人にとっては、その大変さも分からないものです。
わからないこと、辛いことなどいろんなことがあると思いますが、そうしたことについても相談に乗ってサポートしてくれるのでせうね。
相談費用はもちろん無料です。
介護に関する問題などがあれば、一度相談に行って見ると良いですよ。
2、高齢者の権利擁護(けんりようご)
高齢者の権利擁護なんて難しい言葉を使うと、堅苦しいイメージを持ってしまいがちですが、簡単に考えると、高齢者の生活の身近な問題でもあるんですよ。
まとめてみると、
- 高齢者に対する詐欺や悪徳商法などの消費者被害への対応
- 高齢者の虐待の早期発見と予防
- 成年後見制度の手続き支援や促進
という内容です。
高齢者の一人暮らしの場合や、家族で暮らしていても一人でいるときに、詐欺にあった、高価なものを買わされたなどということもよく耳にする話です。
そうした消費者被害についても相談に乗ってくれます。
また、虐待というのは子供だけに当てはまるものではありません。
高齢者の虐待というのも、年々増えているのも事実です。
そうした虐待に苦しむ高齢者の相談に乗ってくれますし、虐待を防止するためのサポートもしてくれるのです。
また、三つ目の成年後見制度というのは、高齢者の財産を狙って良くないことをする人も少なくないわけで、そうした不当な契約や犯罪から守るために後見人として見守る人をつける制度のことをいいます。
こうしたこともこの地域包括支援センターで相談に乗ってくれるんですね。
3、ケアマネジメントの支援
「ケアマネ」という言葉をよく聞いたことがあるのではないでしょうか。
ケアマネージャーのことをケアマネと呼んでいるわけですが、ケアマネージャーというのがこのケアマネジメントを担当している人なのです。
ケアマネージャーと言う人は、介護支援の専門家とも言われ、
- ケア(介護)のプランを作ったり、介護給付金の管理
- 利用者(高齢者)とサービス事業者の間の調整
と言った仕事をしています。
高齢者の生活を守るこのケアマネージャーのサポートも地域包括支援センターの大きな機能ということが言えます。
具体的には、
- ケアマネージャーたちを対象とした研修会
- ケアマネージャー同士のネットワーク作り支援
- ケアマネージャーの困難な事例などに対するアドバイス
といったことをしています。
こうしたケアマネージャーへのサポートが充実してこそ、ケアマネジメントも充実してくるわけですから、こうした支援は大切ですね。
4、介護予防ケアマネジメント
介護予防ケアプランを作成するのも地域包括支援センターの大切な機能の一つです。
介護予防ケアプランって?
高齢者たちが介護を必要とするかどうかを見極めるランク分けがあるのですが、要支援1,2のランクにいる高齢者たちに向けたプランが「介護予防ケアプラン」です。
要するに介護レベルが低い高齢者たちのためのプログラムで、介護予防のためにできることを高齢者ご自身と相談しながら決めていくことができます。
実際に介護を受けるにはランクが低いけれども、自分でできる介護予防プログラムなどを実行することもできますし、こうした介護予防のために利用できるサービスの案内も行っています。
5、地域包括支援センターにはこんな専門家たちがいる
地域包括支援センターでは、高齢者の介護をはじめとし、高齢者の生活をサポートするためのいろんな相談窓口になってくれますね。
そうした相談窓口になるには、それだけの専門家が必要になってきます。
地域包括支援センターではあらゆる分野の専門家たちが働いているのですが、どんな専門家たちがいるのでしょうか?
大きく分けると、
- 主任ケアマネージャー
- 社会福祉士
- 保健師
といった3つの職種の方たちが働いています。
1、主任ケアマネージャー
主任ケアマネージャーは介護に関する相談全般的に引き受けてくれる人です。
また介護サービス業者と連携しながら地域のケアマネージャーへの支援なども行っています。
2、社会福祉士
社会福祉士として勤務している方たちは、高齢者への虐待の防止、早期発見、成年後見人などのについての相談にのってくれます。
その地域に住む一人暮らしの高齢者のお宅や、高齢者夫婦だけで暮らしている家庭などもケアしながら安否確認をしているのもこの社会福祉士です。
3、保健師
医療機関と連携して高齢者向けの医療や介護の相談にのってくれるのが保健師さんですね。
予防介護のプランなども受け持っていますが、医療の面から介護問題について相談したいという場合にはこの保健師さんに相談してみると良いでしょう。
介護の申請ってどうするの?
高齢の親御さんをもつ家族たちはこの介護に関して敏感になっていることでしょう。
いつ介護が必要になるかわからないですし、親が突然倒れたらどうしよう?と漠然とした不安を持っている人も多いことでしょう。
介護が必要かな?と思ったらやるべきことをまとめてみましょう。
介護保険制度
介護保険制度というものがあるのです。
介護保険証というものが、65歳以上の高齢者に支給されます。
この介護保険証をもって自治体に申請すると、審査の上、給付金も支給されるようになります。
申請すると
高齢者が住む自治体に申請するのですが、申請すると医師の診察をうけ、意見書をもらうことになります。
その後、調査員が70項目についての審査をします。
トイレや食事は一人でできるか?
一人で歩けるか?
などといったポイントを押さえた項目についてですね。
その後、1次、2次と審査を重ね、医師や専門家の判断によって要介護度が決まるんです。
この要介護度は7段階に分かれていて、要支援が1,2段階、要介護が1~5段階に分かれており、全部で7段階に分けられるわけです。
要支援1というのが一番軽く、要介護5段階が一番重いということになります。
この段階によって給付金の金額も変わってきますし、介護を受けられるかどうかということも分かれてくるので、この審査が大切なんですね。
メモが大切!
この審査の時に役に立つのが日ごろからの「メモ」です。
審査員が実際に高齢者を見て、どんなことができるか、どんなことができないかということを見極めるのですが、その当日はなんか調子がよくて全部できちゃうっていうこともあるわけです。
でも、実際には、トイレを失敗したり、認知症の症状が出たりすることもあると、それを伝えるのが大変ですよね。
そこで活躍するのがメモです。
日ごろから、
〇月〇日
食事が一人でとれなかった
〇月〇日
トイレを失敗した
〇月〇日
昨日のことを覚えていなかった
などといった症状を単発的に出たものであったとしても、一つ一つメモをしておくことで、審査の時に役に立つこと間違いなしです。
そうした普段の生活も含めて考慮して審査してくれるからです。
要介護が認定されたら
介護度が認定されたら、地域包括支援センターも大いに利用しましょう。
今まで紹介してきたように、介護に関するあらゆる相談が無料でできますね。
そしていろんなサービスについて案内を受けることもできます。
また、介護を必要とする場合には、事業所を紹介してくれます。
その事業所をどこにするか自分で決め、連絡すればそこの事業所に所属するケアマネージャーさんがケアプランを考えてくれ、また介護に関する助言をしてくれるようになります。
介護に関する第一歩が地域包括支援センターとも言えるわけですので、一人で悩んでいないで、ぜひとも相談に行って見てくださいね。
まとめ
地域包括支援センターがどんなところか見てきました。
65歳以上の高齢者、またはその介護に携わる家族や介護士さんたちなどが利用する公共施設です。
地域包括支援センターは、
- 高齢者のための総合相談窓口
- 地域包括ケアシステムを支える拠点
であり、高齢者の介護をはじめ、高齢者の生活についてサポートや相談にのってくれるところだというわけですね。
主任ケアマネージャーや社会福祉士、そして保健師とそれぞれの分野の専門家が相談に乗ってくれるので、より具体的に、問題が解決できそうです。
中学校の数ほどあるということなので、お住まいの地域の、またはご両親の住む地域の地域包括支援センターを探してみてください。
私も両親の住む家の近くにこの地域包括支援センターがあることが分かったので、何かの時には相談に行って見たいと思います。
いざという時に慌てずに、こうした機関に相談できると安心ですよね。
参考になれば幸いです。
今回はここまで!
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