こんにちは!
つくしです
今回は、
「初心者がガンマイクでセリフを録るコツ」
というお話し。
少しマニアックなコツになるので「そこ?」という点になりますが、映画やドラマの録音部さんは「ここの技術を磨いてます」という重要な技術なので知っていて損はないと思います。
先に結論を言ってしまうと、
感覚はそのままで誤差を把握する
です。
ぜひ参考にしてください。
「面があってないぞー!」
これは私が新人の頃、毎日のように言われ続けていた言葉です。
私が撮影の業界に入って最初の業務はドラマです。
そのドラマという現場で、音声さんはガンマイクという特殊なマイクの取り扱いから技術をしっかり教えていただくことになります。
ちなみに最初に確認しておきます。
ガンマイクとは以下の写真の、
SENNHEISER MKH 416
というマイクを指します。
(5つすべて同じマイクです)
上から、
ガンマイク本体、ウレタン、ソフタイ、ウィンドシールド、ハイウィンドジャマー
という形態です。
このマイクの取り扱い中で「面を合わせる」という技術は重要で、ほぼほぼ感覚勝負の技術です。
この説明されない感覚技術について、毎日毎日怒られるわけです^^;
ちなみにこの「面を合わせる」という作業は、
ガンマイクの先端を音源に合わせる
というシンプルな作業です。
これが意外に難しい技術で、音声さんの腕にかかわる技術と言っても過言ではありません。
「面を合わせられる」ということは、「面を意図的に外すこともできる」ということで、
現場のマイクで音量から音質を調整できるということです
なのでこの技術については厳しく指導されるのです。
自分の感覚はなかなか変えられない
ではどうやって面を合わせられるようになったか?というと最初に書いた、
感覚はそのままで誤差を把握する
です。
ロケ用のブーム(さお)は、手で持つのでその誤差はなかなか目視できませんが、スタジオのブームと呼ばれる機材だと、ロックできるのでガンマイクと音源の位置を目視しに行けます。
最初からピタッと合わせられる人はなかなかいません。
前後左右必ずズレるもので、そのズレは不思議といつも同じになることが多いです。
私の場合は「とどいてない」という状態で、よく「ワンマイク上!(怒)」と言われてました(汗)。
この場合のワンマイク上とは、
「ガンマイク1本分上にあげると面が合うぞ!(怒)」
ということです(汗)。
この指摘は結構長く続きました^^;
ちなみに画角の確認などで「あとワンマイク!」と言う場合は、
「あとガンマイク1本分上にあげると画角から見えなくなる」
という意味になります。
その度に、
(練習が足りないからだ、はやくピタッと合わせられるようにならないと、)
と悩んでいました。
しかしある時、
(このズレる感覚はいくら練習してもなおらない…汗)
とあきらめかけ、
あ、またワンマイクズレてる。
あ、また、
また、
となり、ふと、
じゃ、
その分、
上にすればいい!
で解決しました。
そりゃそうだろう。というくらいシンプルな解決方法ですが、これがなかなか思いつきませんでした。
しかしここで自分を弁護すると、
このズレが正確になるほど練習した
という点。
わかりますかね?
要するに、
いつもズレるのですが(涙)、正確に同じ距離ズレるというこです
練習は裏切りません。
私が望んだ結果ではありませんでしたが、それ相応の成果が出たんですからね。
というわけで具体的にガンマイクをピタッとセリフ(音源)に合わせる練習方法
ちなみにこの方法は、平成初期の頃の私みたいに練習を積みに積まなくてもOKです。
(後輩で実証済)
その方法はシンプルで、
とりあえずやってみて
↓
ズレる感覚を変えず誤差を確認
↓
毎回その分調整
↓
誤差を確認
↓
毎回その分調整
見た目は誰もが(かなり少人数)実践している「音源にマイクを合わせる」練習かもしれませんが、これは、「ズレた感覚は変えずに誤差の修正を繰り返す」という作業です。
自分のなかなか変えることのできない感覚を無理して変えず、誤差だけしっかり把握して修正する
という技術です。
ちなみに長く続けていると、誰でも(かなり少人数)この誤差がなくなってきます。
ここにサラッとたどり着けた同期に、「なんでできないの?」と言われたことは今でも忘れません。
まとめ
以上、
「初心者がガンマイクでセリフを録るコツ」
でした。
もともと自分持っている感覚を変えるのはなかなか難しい作業です。
そんな難しい作業に時間をかけるより、その感覚はそのままで誤差を把握して修正する方がよっぽど正確で確実なんです。
私が新人の頃は、ものすごく厳しい(怖い)育生環境だったので、「早くこの感覚を身につけなきゃ」と必死でしたが、そんな矯正はいらなかったってことです(涙)。
がむしゃらに反復練習を続けることも大切だとは思います。
しかし、
なかなか結果が出ない時は、その作業を一旦やめて「考える」という作業もやっぱり必要ということです。
ま、こんなに偉そうに説明してるのも自分でうまくいった方法だから言えることかもしれませんね^^
ちなみにこの「感覚はそのままで誤差を把握する」という方法はその他の本番感覚作業、
例えばカメラだと「フォーカス」や「ズーム」「アイリス(しぼり)」なんかに応用がききます。
ぜひいろいろ試してみてください。
今回はここまで!
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